"Good Smoker" という矛盾
"Good" の比較級と最上級が、"better", "the best" となるため、"better" は "good" よりも 「良い」 と誤解されている。
しかし本当は、「より良い」 というよりは、「多少はましかも」 程度の意味で使われることの方が、ずっと多いのだ。
気分が悪くなって寝込んだとき、しばらくして具合を聞かれたら、「さっきよりは大分良くなった」 という意味で、"much better than before" などと答えるのである。「すっかり良くなった」 という意味ではない。だから、"good" ではない。
何を言いたいかというと、最近の JT の煙草のコマーシャルに、ちょっと異議を唱えたいのである。例の、"Are You a Good Smoker?" というコピーである。「あなたは、『良い』 喫煙者ですか?」 と問いかけているのだ。
私に言わせれば、「『良い』 喫煙者」 などというのは存在しないのである。それは、論理的矛盾であり、ナンセンスになる。喫煙者というのは、基本的に周囲に害毒を撒き散らす。「良い」 わけがない。あるのは、少しは周囲に気を使いながら、申し訳なげに煙草に火をつける 「『多少はましな』 喫煙者」 である。
だから、あの広告は、"Are You a Little Bit Better Smoker?" (あなたは 「多少はましな」 喫煙者ですか?」 というのなら、話はわかるのだ。
もちろん、喫煙者でも 「いい人」 はいくらでもいる。しかし、「喫煙者」 という視点で見た場合、「ましな」 が最上級で、それ以上はないのである。 だから、"good smoker" などというありえないものになろうと努力するよりは、"non smoker" になろうと努力する方がずっと 「真っ当」 なのである。
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