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2003年7月22日

フランスの E-mail

フランス文化省は18日、政府のすべての省庁、文書、刊行物、ウェブサイトで "e-mail" という呼称を廃止し、 "courriel" (クーリエル) という名称を採用すると発表した。

フランスは国を挙げて、英語の語彙のフランス語への流入防止に躍起になっている。

"Courriel" というのは、"courrier electronique" (電子的な手紙) という言葉をつないで省略した造語である。 「木村拓也」 が 「キムタク」 に、「坂東妻三郎」 が 「坂妻」 になったようなものだろう。

ただしフランス語の "electronique" の最初の e は、アクサンテギュ (左下がりのアクサン記号) 付きらしい。どうかフランス政府は、当サイトにクレームを付けないでいただきたい。このサイトではアクサンテギュを表記できないだけのことで、他意はない。

それにしても、フランスという国は言語についてはガンコなところがある。日本なんて、その点では融通無礙だ。近頃のカタカナ語の増加なんて、フランス人が聞いたら腰を抜かすだろう。

当欄の 4月 28日付でも触れたが、国立国語研究所の外来語委員会というところが 「『外来語』 言い換え提案」 作業の第 1回分最終報告を発表したはいいが、その後、話題としてはさっぱり盛り上がらない。「アウトソーシング」 を 「外部委託」、「ガイドライン」 を 「指針」 と言い換えるとしているのだが、「アイドリングストップ」 を 「停車時エンジン停止」 と言い換えるに及んでは、「なんだかなぁ」 という気がする。日本語は外来語に対して、非常に寛容だ。

もし日本で "E-mail" を 「電子的手紙」 なんて言い換えることになったら、あちこちから 「舌を噛むから止めてくれ」 との声が上がるだろう。

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