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2003年7月10日

今年の阪神の 「かわい気のない強さ」

本日、某所で酒を飲みつつ、今年の阪神の 「かわい気のない強さ」 が話題になった。

ことここに至っては、優勝を逃す方がずっと困難な気がするが、それでもタイガース・ファンの多くは、「そのうち 25連敗ぐらいしてしまうのでは」 と心配しているという。

ところが、彼らの口から聞くと、「心配している」 と言うよりは 「期待している」 と聞こえてしまう。このあたりが、阪神ファンのいわく言いがたい 「心の襞」 である。

どうも、今年の阪神タイガースの勝ちっぷりは、当の 「虎キチ」 にとってもあまり気分のいいものではないようなのだ。これまでは、一つ勝ったら二つ以上負けるものと思っていたのに、三つ勝ってもなかなか一つ負けない。勝ちすぎて気持ちが悪い。

阪神が大人しく負けてくれさえすれば、「このアホンダレ」 と悪態をつきながら酒が呑めたのに、あまり勝ちすぎるので、酒の呑みようがわからなくなってしまっている。急に裃着せられたような感じらしい。

こうしてみると、巨人ファンと阪神ファンは、同じファンでもメンタリティが全然違うようだ。

巨人ファンは、勝って当たり前、負けると悔しい。阪神ファンはその逆で、負けて当たり前、勝てばうれしい。負けると一応荒れてはみせるが、翌朝にはちゃんとおさまっている。その点、巨人ファンは負けてもあまり大荒れはしないかわりに、翌日まで不機嫌を引きずる。かなり対照的だ。

私の知り合いの有名な 「虎キチ」 は、甲子園球場でヤクルト戦に負けた帰り、ムシャクシャのあまり、阪神電車のホームでヤクルト・ファンに因縁をつけた。

「くぉるぁ、お前ら、阪神電車、乗るな! ヤクルト電車で帰れ!!」

今年は勝ちすぎて、こんな笑えるギャグも出て来にくいようだ。

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