ブランド品の値段
質屋を経営する知人に聞いたのだが、近頃の質草は、アクセサリーやバッグなどの、高級ブランド商品が多いのだそうだ。
どこかのいけない 「パパ」 にもらったブランド品を、若い娘がさっさと質入れしてしまうらしい。「パパ」 はいい面の皮である。
こうした 「高級ブランド品」 の値段というのは、どんな意味を持つのだろう。
例えばルイ・ヴィトンのバッグにしても、主な素材である塩化ビニールには高級塩ビや安物塩ビの区別はない。塩ビは塩ビである。あるのはあの独特のプリント・ロゴと、それをきちんと縫い合わせたという結果である。縫製にしても、丁寧ではあるが、特別の縫い方というわけではない。
それでいて、あの 「素晴らしい」 値段というのは、「モノ」 としての価値を買うのではなく、言い古されたことだが、「満足感」 を買うのである。その満足感は、「これは高級ブランドですよ」 という看板からくるのだ。つまり、高級ブランド商品の値段というのは、いわば、メーカーに対して 「未来永劫に、このブランド・ステイタスを維持してくれるだろうな」 という委託金を預けているようなものだ。
だから、いったんその信用が崩れると、質屋の市場での相場はガックリと落ちてしまう。最近の "P" ブランドのバッグがいい例である。
見方を変えれば、私なんぞは、そんな委託金を預ける趣味などないから、時計やバッグは、安い値段で 「機能性」 だけを買ってしまうのである。
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