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2003年8月31日

顧客は常に正しい?

米国の中堅スーパーである ステュ・レナーズ の店内には、「規則 1: 顧客は常に正しい」 という社訓が飾ってある。

「規則 2: もし、顧客が間違っていると思える場合には」 と、さらに社訓は続く。 「もう一度、規則 1 を読むべし」(参照

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Rule 1 
The cusutomer is always right!

Rule 2
If the Customer is ever wrong, reread Rule 1.

6月に米国に出張したとき、実際にニューヨーク近郊の店を視察し、この有名な社訓が掲げてあるのを見た。「ふーむ、なるほどね」 という感じだった。

この社訓は、いろいろな教訓を含んでいる。最も一般的に論じられるのは、「徹底した顧客志向」だ。マーケティングの教科書には、「顧客の振る舞いは全てを語る」と書かれている。しかし最新の教科書では、顧客にも「いい顧客」と「そうでもない顧客」というのがいて、全体の 2割ほどを占める「いい顧客」だけがいつも正しいみたいなことになりつつある。

しかし、私はちょっと別のことを考えている。というのは、この社訓がバックヤードではなく、店内の一番目立つところに飾ってあるという点に注目したいのだ。この社訓は、実は社員に見せるよりは、お客に見せるためのものと考えた方が納得がいく。

「お客はいつだって正しい」 と宣言することによって、ステュ・レナーズの店に来るお客は、いつも正しく振舞ってみせるのである。つまり、自ら「いいお客」になって、気持ちよく一杯買い物をしてくれるのだ。

「言葉の力」というのは、大したものなのだ。

【2021年 7月 15日 追記】

この「ステュ・レナーズ」という社名は、日本の世の中に紹介される時は「スチュー・レオナルド」なんて呼ばれるのが主流と、この記事を書いた直後に知って驚いた。これについては、2003年 9月 4日付の「表記と発音」という記事で書いている。

 

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