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2003年9月14日

コマーシャルという文化

国際日本文化研究センター (京都市) が、人気CM、約4300作品を集めた動画データベースをつくり、研究を始めたという。

研究テーマは、「コマーシャル映像にみる物質文化と情報文化」 というもの。というからには、TV コマーシャルが中心なのだろう。

私はテレビコマーシャルについては、日本以外では米国のものしか知らないが、両国のものを比較すると、米国の方が、「商品を売るための情報」 としてより直截的であるように思われる。要するに、「この商品はこれこれこういうもので、こんなに優れてるんだから、お買いなさい」 というオモムキである。

非常にダイレクトに訴求できるが、趣味的な観点からすると、おもしろくない。

一方、日本のコマーシャルは間接的である。一見しただけでは何のコマーシャルだかわからない。時には最後の最後まで何のコマーシャルだかわからないのもある。

オモムキはあるが、それで商品が売れるのかどうかはわからない。

日本のコマーシャルは、クライアントの金で作家が遊んでいるのである。それは、施工主の金で好き放題遊ぶ大工や建築家と同様である。出来上がったものには、クライアントの意思よりも、作家の趣味の方がより強く反映されている。

だから、コマーシャルのウケがいいのに商品はさっぱり売れないという現象も生じる。

日本人は、コマーシャルを一個の独立した表現分野として認識しているフシガある。文化としては意味があるだろうが、商売としてみれば、クライアントはいい面の皮である。

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