昔話のお約束
今日の TBS ラジオ「永六輔その新世界」は、岩手の遠野からの生放送だ。
遠野では昔話は「昔々あったどもな」で始まり、「どんとはれ」で終わるのだそうだ。庄内でも昔話の初めと終わりには、似たようなお約束がある。
庄内の昔話は、「昔々、あったけど」で始まり、「トッピンカラリンねけど」で終わる。「ねけど」というのは 「なかったと」 ということだ。
「昔々」に「あった」というのはわかるが、「トッピンカラリン」に「なかった」というのは、庄内の者でも意味はさっぱりわからない。わからないながらも、庄内で生まれた子供は自然にそういうものだと納得し、懐かしい響きとして心の奥で育んでいるのである。
「トッピンカラリン」は「トンピンカラリン」や「トッピンカッタリ」などのバリエーションがあるようで、同じ庄内でも奥行きがある。私の育った酒田では、大抵は「トッピンカラリン」のような気がする。
ところで、庄内には「世界で一番短い話」というのがある。
それは、「昔々あったけど。今、ねけど」(昔々あったとさ。今、ないとさ)というのである。
これには、「トッピンカラリンねけど」 というのは、一般には付かないような気がする。それは「昔話」ではなく、近世になってから「作った話」だからではないかと思う。
明日から、庄内に行く。寝たきりの母を介護する父の応援だ。
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