「とらまえる」の考察
昨年の8月30日の「一撃」に、「サ入り言葉」(「やらサせていただきます」など)とともに、「とらまえる」という怪しげな言葉も、勘弁してもらいたいと書いた。
しかし調べてみると、この「とらまえる」は、案外広く使われている方言らしい。
「道浦俊彦/とっておきの話」というサイトの「ことばの話1017」の項に載っているので、以下に引用させていただく。
「『全国方言辞典』に「とらまえる。静岡、愛知県中島郡、岐阜県大垣、富山、三重県阿山郡、和歌山県東牟婁郡、大阪、愛媛、山口。とらまゆる。京都(片言)・丹波(丹波通辞)」
とありました。静岡、富山より西の関西圏で、かなり広く使われているようです。
知らなかった。最近になって、カタカナ職業の方々が「捉える」と「掴まえる」を一緒くたにして、気取って使い始めたものかと思っていたのだが、案外古くから使われている言葉だったのだ。
試しに「とらまえる」のキーワードで Google 検索してみたら、なんと 465件もひっかかった。その中の上位 50件の傾向は、次のように 3分類される。
- 「とらまえる」という言葉への違和感や反感を表明しているケース・・・16%
- 「とらまえる」は方言であるとして紹介しているケース・・・30%
- テキスト中に、ごく普通に「とらまえる」という言葉を使っているケース・・・54%
なんと、通常の文章中にごく普通に使われるケースが半分以上を占めている。中には地方自治体の公式文書に使われているケースもある。滋賀県守山市の市議会議事録、滋賀県の「市町村合併」に関する文書である。滋賀県は「とらまえる」がお好きのようだ。
上位 50件以下も調べようと思い、試しに「議事録/とらまえる」の 2語で検索したら、なんと 87件も出てきた。中には総務省の「第606回統計審議会議事録」や「参議院環境特別委員会議事録」など、中央官庁や国会の議事録まである。
「とらまえる」はもしかしたら、「日本一でかいツラをした方言」かもしれない。
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