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2003年12月 1日

「サムシング・グレート」 とは

「SAT イブニング・セミナー」 というのに参加して、今戻ってきたところだ。"SAT" というのは 「つくばサイエンス・アカデミー」 で、かのノーベル賞受賞者の江崎玲於奈氏が理事長をされている。

今回のテーマは 「科学者・技術者がサムシング・グレートを感じるとき」 というもの。

「サムシング・グレート」 というのは、最近よく使われる言葉で、文字通り訳すと 「偉大なる何者か」 なのだが、要するに科学者の世界の学術用語 (?) で、「神」 のことを指すと思えばいい。あるいは、科学的であることが不可欠な分野で、あからさまに 「神」 とか 「仏」 とか言うのがはばかられる場合に、煙に巻くために使う業界用語 (?) 化していると言ってもいいかもしれない。

元々は、筑波大学名誉教授で生命科学・遺伝子工学を研究されている、村上和雄氏が使い始めた言葉のようだ。同氏は、宇宙学者の池内了氏とともに、今回の講師をされたが、「ヒトゲノムの遺伝子情報のほとんどが解読されたことは素晴らしいが、『読んだ者がいるということは、それを書いた者が存在する』 ということだ」 と指摘した。

なるほど、確かに 「読んだ者」 より 「書いた者」 の方が 「偉大な」 存在だろうとの認識は、自然なものだ。その 「書いた者」 が 「サムシング・グレート」 である。

村上先生によると、遺伝子情報のほとんどは、眠っているかフル稼働していない状態にあり、何かの刺激でスイッチ・オンされる。「いい遺伝子情報」 にスイッチが入るのは、喜び、感動などの積極的な心の動きによるのだそうだ。糖尿病患者の血糖値上昇が、B&B の漫才を聞いて笑い転げることでかなり抑制されたという実証的データを取ったのも彼である。

ちなみに、このセミナーに参加した聴講者に 「神仏を信じるか」 との質問で挙手を求めたところ、「信じる」 とする者が、私を含め、約 3分の 2を占めた。これは、今回の参加者が、元々 「サムシング・グレート」 に興味を持った人たちということもあるだろうが、つくばという 「科学研究都市」 に、そんなにも 「有神論者」 がいるとは、ある意味で新鮮な驚きだった。

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