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2003年11月30日

状況を見極めて判断

「状況を見極めて判断」 とは、最近の小泉首相の答弁の決まり文句である。与党にも野党にも敵だらけの首相にとって、誰にも言質を取られたくない気持ちはわかるが、これではあまりにも芸がない。

昨年の内閣改造に関しての質問への答え方と同じだ。これでは相手にされなくなる。

この回答を繰り返すというのは、「行き当たりばったり決める」 と言っているのと同じことだ。そうでなくするためには、「いつ、誰が、何を、どのような規準で」、「見極めて判断」 するのかを示さなければならない。首相の答弁には、主語と目的語と補語が完全に抜け落ちているので、何の意味もないのである。

何の意味もない答弁をお約束のように繰り返すというのは、 「本当に内容がない」 か、「言いたくない危険な検討を、秘密裏に行っている」 かのどちらかである。そう受け取られても仕方がない。どちらに受け取られても、イメージは低下するのだから、この答弁というのは、実は 「最悪」 の答弁なのである。

その最悪の答弁を繰り返さざるを得ないというのは、よりよい答弁の仕方を知らないか、具体的説明をしてしまったら、最悪よりさらに悪い結果を生じるとみているかのどちらかである。いずれにしても、それでは任せきれないではないか。

これでは、小泉内閣への期待度は低下する一方である。彼は 「国民の期待」 という 「ただ一点のファクター」 で支持されたのだから、それを失ったら何も残らない。国民と政治屋と、どちらを本当の味方に付けるのか、きちんと判断しなければならないところなのに。

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