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2003年12月18日

無呼吸症候群とイビキ

これから仕事で都内に出て、そのまま忘年会。多分午前様になると思うので、珍しく朝のうちに更新してしまおう。

無呼吸症候群が話題になっている。以前会社勤めをしていた頃、社員旅行などで大部屋に泊まると、必ず一人はいた。必ずしもでっぷりと太った人ばかりでもない。

困るのは、そうした無呼吸の人ほど寝付きがよく、誰よりも早く寝て、しかもすぐに大イビキをかき始めるのだ。よくまあ、自分のイビキでびっくりして目を覚ましてしまわないものだと感心するほどの、大音響のイビキである。地響きがするくらいだ。

周囲の者には大迷惑である。「おい、そのオッサン、ちょっと横に向かせてみぃや!」 と、暗闇の中で 2~3人がかりで体の向きを変えさせてみるが、じきに仰向けに戻って、さらなる大音響を響かせる。困り果てていると、突然イビキがピタリと止まる。あぁ、よかったと思っていると、どうも、イビキだけではなく、呼吸自体が止まっているようなのだ。

一人がオッサンの鼻と口の前に手をかざしてみる。

「息しとるか?」
「しとらん」
「放っといて、大丈夫か?」
「死ぬんちゃうか?」
「死んだらどないしょ」
「社員旅行の夜、突然死では、新聞に出るなぁ」
「臨終の間際に立ち会った人物として、俺ら皆、警察に呼ばれるで」
「そりゃぁ、ヤバイ」

などと言いながら、あまり心配なので揺り起こそうと顔をのぞき込むと、突然呼吸が復活し、同時に大音響のイビキが 「グワァーッ!」 と襲いかかる。のぞき込んだやつはひっくり返って腰を抜かしそうになる。

さらにすごいことに、「イビキ、歯ぎしり、寝言の三冠王」 という人もいた。

誰よりも先に寝込んで大音響のイビキをかく。丑三時にようやくイビキが止んで、やれよかったと思っていると、カリカリカリ …… と異様な音が陰にこもって響き始める。このオッサンの歯ぎしりである。まぁ、イビキよりは耐えられるかと思っていると、突然、がばっと起きあがり、「お前、どないやっちゅうねん!」 とドエライ剣幕で叫ぶ。

皆驚いて注目するのだが、当人は何事もなかったように、またぱたりと寝込んで、イビキか歯ぎしりを再開する。同室になったものは、大変な忍耐力が要請された。今は昔の物語である。

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