意外に商売上手なサザエさん
つい最近知ったのだが、テレビアニメ 「サザエさん」 のオープニング・テーマで全国の観光地の風景が流れるのは、お金を取って観光宣伝をしているのだそうである。
これを知った時は、少しショックだった。あののんきな昭和 30年代的ムードの裏側に、そんなセコイ現実があったとは。
我ながらぼうっとしていたと思うが、あれは長谷川町子さんが旅行好きだったのであんな企画にしているのかなと思っていた。しかし、知ってみればいかにも宣伝ぽい風景の羅列である。「買い物しようと街まで出かけたが、財布を忘れて」 いたというサザエさんとも思われない商売上手なお話で、私としては、なんだか興醒めしてしまった。
ちなみにどのくらいの費用がかかっているのかとググってみたら、大体630万円から700万円ぐらいとわかった。(参照: 愛媛県のケース、高山市のケース =第5280号 2002年 1月 11日の項参照) あれは、大体 3ヶ月ごとに入れ替えになっているようだし、一度に何カ所か (4~5カ所ぐらいだったかなぁ) の宣伝をするので、年間で 1億円くらいの収入になっているだろう。番組スポンサー以外からそれだけの収入があるというのは、案外おいしいかもしれない。
それにしても、あんなステロタイプな絵葉書的風景が、効果的な宣伝になるのだろうか。個人的には甚だ疑問であるが、観光に出かける心理というのは、案外そんなものかもしれない。観光案内に載っている 「あの風景」 を実際に見ることができさえすれば、満足するのだろう。
その意味では、あの番組というのは徹頭徹尾、日本人の平均的嗜好に密着しているといえないこともない。「平均的嗜好」 なんてものはとうに死滅してしまったものと思っていたが、実は案外根強いものだったのだ。
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