巨大ダム建設のツケ
私の生まれた酒田市の南隣、鶴岡市の水道料金が、値上げに次ぐ値上げで、今年秋からは、5年余り前の約 2倍に跳ね上がることになるらしい。
過剰な水需要予測に伴って建設された月山ダムの工事費のツケが回っており、水道使用量自体は下降気味なのだという。
水道料金改訂は 3度目で、既に平成 10年度に 30%、13年度に 28%引き上げられている。今回の値上げは 平均 19%で、これで約 2倍になってしまう計算だ。
車で帰郷する度に、月山ダムのほとりを通り、「こんなものが、本当に必要なのか」 と疑問に感じていた。
月山ダムは昭和 55年の鶴岡市議会の決議を受けて翌年に着工、平成13年の秋に完成した。その年から鶴岡市の水源は、月山ダムからの庄内南部広域水道に移行した。それ以前の鶴岡市の水道は、 100%地下水で、別に不足することはなかったらしい。
要するに、水需要予測がとんでもなく外れてしまっているわけで、要りもしない巨大ダムを、多大なる建設費をかけて作ってしまい、そのツケが回っているわけだ。鶴岡市民は水道料金高騰に耐えかねて節水に勤めているので、水道使用量はますます減少している。それでさらに月山ダムの必要性に疑問符が付きまくっているという悪循環に陥っている。
普通、物価というのは需要が減少すれば値段も下がるはずなのだが、このケースでは、既成事実として原価に余計なコストが被さっているだけに、需要が減れば単価アップで切り抜けるしかなくなっているのである。せっかくいい仕入れ先があったのに、わざわざ高い仕入れ先に変えて、小売価格をアップさせているというわけだ。その高い仕入れ先は、自分のところの子会社なので、今さら変えるわけに行かないというようなものだ。馬鹿馬鹿しい限りである。
結局、お役人と土建屋さんが潤っただけで、自然破壊と水道料金高騰という結果が生じているわけだ。
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