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2004年2月17日

日本の農家は米国より強い

BSE 騒ぎで牛丼屋から牛丼が消えた。牛丼に使う牛肉は、米国産でないとあの風味がでないのだそうだ。

牛丼の消える直前は、どの牛丼屋も大繁盛だったらしい。輸入禁止以前の在庫が安全だという保証はどこにもないのに、割とノー天気に駆け込み需要が高まった。

このまま牛丼の消えたままの状態が続いたら、学生とサラリーマンの昼メシ事情はかなりの影響を受けるだろう。本音では、米国牛肉の輸入再開を皆望んでいるに違いない。安全云々の問題は別にしての話だが。

米国民にしてみれば、かなりうっとうしい話だろう。日本国内でやっているように全頭検査をしろと言われても、処理する牛の数が桁違いに多い。それをすべて検査するというのは、大変な労力である。何事にもおおざっぱな米国民には、途方もない話に聞こえるだろう。

米国民にしてみれば、「当の俺たちが食ってるんだから、いいじゃないか」 ということになるだろう。自分たちは敬遠して、他国の食卓に押しつけているわけではない。いわば、原産国で体を張って 「毒味」 しているのだから、ガタガタ言うなということになる。

しかし、日本とすれば、国内の畜産業者に全頭検査を義務づけている以上、海外にそれを免除するというわけにもいかない。そんなことをしたら、国内の業者からたちまち怨嗟の声が上がる。「俺たちのみに負担を強いて、アメリカの牛肉はフリーパスなのか」 と言われたら、政府としても答えに窮する。自民党にとっての大票田である農家を敵に回したくはない。

だから、日本の農家は米国よりも強いのである。いかな米国追従の日本政府も、国内の農家には逆らえない。

こうなったら、日本国民がこぞって農家になればいい。実家の名義とか、ちょっとした家庭菜園の名義で、皆で農協に加盟するのである。農協としても、組合員が増えるのだから、断る理由はない。そして、その上で、「新農家」 として圧力団体の機能を行使するのである。そうすれば、日本の政治も変わるかも知れない。

少なくとも、サラリーマンとしてものを言うより、農家としてものを言う方が、効き目がありそうだ。

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