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2004年2月13日

シンプル・イズ・ベスト

店舗什器関係のメーカーの取材をした。その会社は、什器組み立てに関して 30近くの特許をもっている。

しかし、その特許のアイデアのほとんどは、まったく単純なものである。知恵を絞れば誰でも思いつきそうなのだが、それまで形にした者が一人もいなかっただけのことだ。

現場のニーズを拾い上げ、問題を解決するためには、ご大層なソリューションを開発するよりも、ほんのちょっとした工夫を適用する方が、コスト面でも運用面でもずっとメリットがある。だから、同社のアイデアは現場ではとても評判がよく、ヒット商品となっている。

しかし、こうしたアイデアは特許申請がとてもしにくいのだそうだ。ご大層な仕掛けならば、発明部分が一目瞭然なのですぐにわかるが、あまりにもシンプルだとどこが発明なのか説明しにくい。それでも、それまでだれも手がけたことがなければ、発明なのである。いわゆる 「コロンブスの卵」 だ。

問題は、業務ソフトなどでも似たような問題があることだ。これまでの運用の仕方を根本から変えるような革命的コンセプトで、機能満載のソフトは、導入検討の際に推奨しやすい。逆にシンプルなソフトは見栄えがしないし、大したものではないように見える。しかし、実際に導入したら、「シンプル・イズ・ベスト」 なのである。ご大層なソフトは、結局使いこなせずにインストールしっぱなしということになりがちだ。

「こけおどし」 に騙されないことである。

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