万里の長城は宇宙から見えない
中国の小学校国語の教科書にある 「万里の長城は宇宙から肉眼で見える」 という記述は、とんだガセネタだったらしい。教育省が出版社に削除指示を出したそうだ。
これは以前からかなり有名なネタで、私なんぞはつい何の疑いもなく信じていたので、なんだか脱力してしまった。
NASA のウェブサイトでは、かなり前から「宇宙から万里の長城は見えない」と断定していたようだが、中国は教科書の記述を変えようとしなかったらしい。しかし中国が昨年10月に成功した有人宇宙船の飛行士が「長城は見えなかった」と指摘してしまったため、ついに折れたようなのだ。
米国に言われても突っぱねていたのに、自分の国の宇宙飛行士が言ってしまった以上、認めざるを得なかったというところがおもしろい。
ところで「宇宙から」というが、どのくらい上空になると、宇宙ということになるのだろうか。その答えは、学者の専門領域によって違うのだそうである。
宇宙開発系の学者は、上空 100~150kmを地球の大気圏と考え、それ以上の高さを宇宙としているらしい。人類初の宇宙飛行をした旧ソ連のガガーリンの乗った宇宙船は上空 200km~ 300kmのところを飛んだそうだ。スペースシャトルが飛ぶ高さも 300km~500kmというところという。
しかし地球をとりまく大気の研究者は、違った考えをしていて、地上から 500km~ 1000kmの高さまでを大気圏と考え、それ以上を宇宙としているらしい。えらい違いではないか。このコンセプトを採用してしまうと、これまで「宇宙飛行士」とされてきた人たちのほとんどが「大気圏内飛行士」にランクダウンされてしまう。これはゆゆしきことだ。宇宙開発系の学者は、この説を決して採用しないだろう。自分の研究が「大気圏内開発」になってしまったら、いやだろうし。
最低限、上空 100Km以上を宇宙と規定しても、100Kmも離れたところから城壁を見ろという方がムリだというのは、改めて考えてみると自然に納得できる。これを「見える」と言い続けてきたというのは立派なものだ。そのくらいの厚かましさがないと、国際舞台で生き残れない。
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