改めてデジタルデバイド
最近、改めて「デジタル・デバイド」を考えている。以前、どこかに寄稿したコラムで書いた覚えがあるのだが、「デバイド = divide」には、「分水嶺」という意味合いがある。
要するに、山並みのどちら側に流れ落ちてしまうか、デジタル・システムへの対応で決まってしまいかねないのだ。
私はつい最近デスクトップ・パソコンを買い換えたのだが、新しいパソコンのセッティングで、「まいと~く FAX」という FAX ソフトのインストールを忘れるわけにいかなかった。
本心からいえば、こんなソフトはインストールしたくないのである。文書を FAX で送付するなんて、御免こうむりたい。できれば、すべて E-メールで送りたいのはやまやまなのである。しかし、普段から情報のやりとりをしているすべての相手が、メールの受発信可能というわけではない。FAX で文書を送付するしかない相手先も少なからず残っている。
印刷した文書を、FAX 機で複数の相手に送るのはかなり面倒だが、FAX ソフトを使えば、指定した相手先に順番に文書を FAX してくれる。かなり便利だが、それでも問題がある。一つには送信コストの問題だ。メールで同報送信すれば、ほとんど無料だが、FAX は送信先ごとに電話料がかかる。長い文書を市外に FAX する場合は、結構なコストである。
さらに、個人宛にはよくあることなのだが、電話と FAX が同じ番号で、要するに 「FAX電話」 を使っている場合である。FAX ソフトが、その家を呼び出す。すると、相手の家のおじいさんか誰か (要するにお年寄り) が、受話器を取ってしまう。
「もしもし、○○ですが」
すると、FAX なので、当然 「ピーヒョロヒョロ」 という発信音しか聞こえない。そこで、FAX受信ボタンを押してくれればいいのだが、「もしもし!、もしも~~し!!」 とさんざん怒鳴ったあげく、「なんだ、こりゃ。いたずら電話か」 などとつぶやいて、ガチャンと切ってしまう。
こんな場合、FAX ソフトは 3回送信を繰り返すのだが、そのたびに、「もしもし、○○ですが。(ピーヒョロヒョロ) 、もしもし!、もしも~~し!! しつこいな、また、いたずら電話か。(ガチャン)」 ということなってしまう。情報送信ができないのである。
こうしたことの繰り返しが、決定的な情報格差を生む。その家は、山並みのあちら側に流れ落ちてしまうのだ。
やはり、メールぐらいは使いこなしてもらいたいものである。
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