火葬場の金歯拾い
愛知県半田市にある火葬場の業務を請け負っていた会社の社員が、残った遺灰から金歯などの貴金属類を集めて売りさばいていたとして、問題になっている。(こちら)
3年で集めた貴金属を売り払って、16万円。5人で山分けしたのだそうだ。金額で言えば、1人当たり 3万円ちょぼちょぼ。
業務を請け負っていた知北公益の竹内勝博社長は、「監督不足により関係者に大変な迷惑をかけ、深くおわびしたい」 と話しているという。しかし、「大変な迷惑」 とは一体なんだろう。素人考えでは、誰もそんなに迷惑なんて蒙ってないと思うのだが。
2月末に内部告発があったらしいが、こんなもの告発したところで、いったい何になるんだろう。見方を変えれば、1年当たりにして 1万円ちょっとだから、休日分を引いても たった数十円の日当で、貴金属のリサイクルに励んでくれたのである。さもなければ、せっかくの資源が灰と共に処分されてしまうところだったのだ。
正式な事業としてリサイクルに取り組んだら、人件費だけで赤字になってしまうだろう。いや、火葬場の貴金属リサイクルなんて、そもそも正式な事業になんかしにくいだろう。こっそりやってくれたからこそ、余計なコストがかからずに資源の再利用ができたのである。よくまぁ、やってくれたとねぎらってあげてもいいくらいだ。
今回のは同じ告発でも、京都の養鶏場のケースとはずいぶん違うという気がする。「告発」 というよりは、「告げ口」 というレベルである。多分、似たようなことは日本全国の火葬場で行われているのではないかという気がする。今回の事件で、密かに行われていた貴金属リサイクルがやりにくくなくなるとしたら、資源の無駄というものではなかろうか。
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