総額表示スタート
4月 1日から店頭での総額表示がスタートした。
ニュースは消費者の声として 「いくら払えばいいのかわかりやすい」 とか、「支払っている税金の額が見えなくなるのが、不安」 とか、相変わらずの両論併記方式で伝えている。
新しい方式が現実にスタートしてしまったのだから、我々の現実的な問題としては、早くそれに慣れるしかない。どっちがいいかと議論したところで、こればかりは、正解はないのである。
総額表示方式のメリットは、従来方式のデメリットであり、その逆もまた真なりである。上記で紹介した消費者の声をひっくり返してみればわかる。従来方式でも、慣れてしまえばいくら支払えばいいか計算がついたし、新方式でも、計算すれば税額はわかる。
要するに、支払額と税額のどちらを計算しなくてもわかるようにするかという、単純な問題に行き着く。新方式では、支払額の方を優先させたわけで、政府も総額表示方式導入の理由としてそれを挙げている。
ちなみに、海外の動向を見ると、EU では総額表示が主流で、米国では州によって異なる。EU の総額表示は、「消費者保護の見地から」 だそうだが、どうして総額表示にすると消費者保護になるのか、私としては今イチわからない。
今回の総額表示導入は、税負担の感覚をうやむやにして消費税率をアップしやすくするためだともっぱらの評判だが、税率はこっそり上げるわけでもあるまいし、そのたびに問題を蒸し返すわけだから、制度を変えたからといって上げやすくなるというのは疑問だ。もしかしたら、「寝た子」 を起こす分だけ抵抗が大きくなるかもしれないし。
問題は、POS や売上管理などの IT システムにとっては、本体価格と税額をきっちりと区別する方がやりやすいということで、こればかりは、新方式への移行にはコストがかかったはずだ。
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