鯉のぼりが減った
茨城名物のずらりと並んだ鯉のぼりが、最近とんと見られなくなった。
この辺りでは、男の子が生まれたら初節句に親類縁者がこぞって鯉のぼりを贈るらしく、もらったのをすべて上げようとすると、逆V字にセットしたロープにずらりと吊すことになる。
どのくらい吊すかというのは、こちらをクリックして写真をご覧いただきたい。とにかく盛大なものである。以前は 5月が近づくと、こうした鯉のぼりが、あちらにもこちらにも立っていた。
どうして鯉のぼりが減ったかと言えば、それは不況というよりは少子化のためだろう。とにかく、子供が減ったのである。近所の小学校などは、1学年のクラスの数が減り尽くし、1クラスしかなくなって、そのクラスの生徒数も、今や 10数名のみという状態らしい。
どうしてそんなに子供が減ったかと言えば、大人が結婚しなくなったからである。結婚しても、子供を産まなくなった。
屋根より高い 鯉のぼり
大きな真鯉は お父さん
小さい緋鯉は 子供たち
おもしろそうに 泳いでる
鯉のぼりの歌にはこう歌われているが、今や鯉のぼりの世界でも、年寄りを含む大人ばかり多いようなのだ。子供が少ないだけに、親戚中が気前よく大きな鯉を贈るためだと思うのだが、「小さい緋鯉」 の比率がとても低いのである。
今回写真に紹介した鯉のぼりの家では、13尾家族だが、子供はみたところ、4尾だけで、あとはみな大人のようなのだ。じいさんばあさんと、父さん母さんの他に、大人が 5尾いる。きっと、父さんの 5尾の兄弟姉妹が独身で、ごろごろ同居しているのかもしれない。
周りを見渡しても、30歳や 40歳を過ぎた独身が、男女を問わずいくらでもいる。私は 25歳で結婚してしまったのだが、今や 25歳なんて遊び盛りだ。結婚なんて、思いもよらないだろう。20歳そこそこで結婚しなければ、30歳を過ぎても独身というパターンが増えた。
結婚なんて、「勢い」 でしてしまうものだから、30歳を過ぎたら、その勢いはなかなかつかない。というわけで、晩婚化傾向はどんどん進む。女性が 30代半ばを過ぎて結婚したら、子供はせいぜい 1人だろう。昔の子供 2人から、子供が 1人しか出現しないのでは、そりゃあ人口は減る一方だ。
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