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2004年4月18日

香港の卓球とは?

中国人とは筆談でコミュニケーションできると思いこんでいる人がいるが、それは、半分正解で、半分間違いだと思う。

中国の憲法を、中国語、英語、日本語で対訳表記したサイトがある (こちら)。私は英訳の文章はほぼ 100% 読めるが、中国語の原文はかなりしんどい。

中国語の原文は、一見わかりそうな気がするだけに、かえって雰囲気だけに流れてしまいそうなところがあって危ない。とくに、政治や学術の分野では、日本で作られて逆輸入された熟語があるので、なんとなく 「術語」 的にわかるところも多いが、一般的な言い回しの部分になると、かなりチンプンカンプンだ。

チンプンカンプンの要因としては、「簡体文字」 であることもかなり大きい。東アジアの共有財産の本家本元で、あんな風にしてしまうのは、いかがなものかと思ってしまう。現在の日本人が自分の国の古文書を読めなくなってしまったような悲劇が、もうすぐ起きるだろう。

他人からの受け売りだが、日本語でいうところの 「手紙」 は、中国語では 「信」 と表記され、「手紙」 と言ってしまうと、中国では 「トイレットペーパー」 のことになるらしいのだ。

これと似たような経験がある。1987~8年頃に香港に仕事で行ったところ、香港の繁華街にはやたらと 「卓球」 という看板が多いのに気がついた。「さすがにこちらは卓球 (ピンポン) が盛んなのだなぁ」 と思っていたのだが、どうも様子がおかしい。妙にトレンディで洒落た店ばかりなのだ。

現地の人にきいてみてわかったのだが、香港でいうところの 「卓球」 は、実は 「ビリヤード」 のことで、「卓球」 の看板を上げたこじゃれた店は、「プールバー」 だったのだ。それを知らずに帰ったら、「香港では卓球が盛んで、中心街に卓球場がたくさんある」 などと、とんでもない誤解に基づいた吹聴をするところだった。

相違を認識せずにわかったつもりになるのは、かえって本当の理解を妨げることになる。

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