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2004年4月14日

ゴルファーに対する違和感

ゴルフのマスターズとやらが終わったそうで、なんとかという人が優勝し、タイガー・ウッズは振るわなかったのだそうだ。

私はゴルフにはまったく興味がなくて、ルールも良く知らない。だから、世の中のゴルフ雑誌とゴルフ番組の隆盛が、全然理解できなかったのである。

だから最近、日本のサッカー人口が約350万人で、野球人口が 約600万人、テニス人口が約700万人なのに対して、ゴルフ人口が 1,000万人を越すと聞いて、たまげてしまったのである。ボーリング人口の約3,300万人には及ばないが、よもや、そんなにいるとは知らなかった。

そういえば、野球やサッカーは団体競技だから、とにかく仲間を集めてチームを作らなければできない。だから、観る人ばかり多くて、実際にやっている人は案外多くないというのは、なるほど、理解できた。

そこにいくと、テニスやゴルフ、ボーリングは、基本的に個人競技である。一人では抵抗があるだろうが、仲間が 2~3人もいればできる。なるほど、その面でのハードルはとても低い。ボーリングが圧倒的にポピュラーなのは、それに加えて、経済的なハードルも圧倒的に低いためでもあるだろう。

ゴルフ人口が案外多いということはわかったが、それを観る人は少ない。野球やサッカーとはわけが違う。日本中の老若男女が夢中になって、テレビのマスターズにかじりつくという光景は想像できない。その意味では、ゴルフはテニスやバレーボールにも及ばない。そもそも、自分でやっている人以外には、観ていて面白いスポーツではない。

だから、ゴルフというのは案外間口の狭いスポーツである。やっている人にしかわからないものである。そして、そのやっている人というのも、大部分はお仕事上の 「お付き合いゴルフ」 なのだから、広範な熱狂というのは成立しにくい。

ところで、プロレスファンや格闘技ファンというのは、自らが 「特殊なマイナー的存在」 であることを自覚している。最近は大晦日に紅白を食ったりするという現象も生じてはいるが、基本的には決してメジャーではない。だから、世の中に対する 「遠慮」 や 「照れ」 のようなものを身につけている。

格闘技ファンは、マニア同士では一晩中でも熱く語り合うようなところがあるが、興味のない者にまでその感動を押しつけるような野暮はしない。当然、「あなたも、そろそろ 『腕ひしぎ逆十字』 の入り方くらい覚えなさいよ」 なんてことは決して言わない。

ところが、多くのゴルファーにはそうした 「遠慮がちな気分」 というものが感じられない。自分の趣味は立派なメジャーであると、信じて疑わないところがある。 「世の中の少なくとも過半数は、ゴルフにまったく興味がない」 という事実に対して、無邪気なまでに無自覚である。

「君も、そろそろゴルフ、始めたら?」 なんて、余計なお世話を平気で言う。まるで、「ゴルフをするのが、正しい社会人である」 と言わんばかりである。いや、確実に言外にそう言っている。それによって、ゴルフに興味がない者に居心地の悪い思いをさせていることに気付いていない。

格闘技ファンである私は、押しつけがましい種類のゴルファーには、ちょっとした違和感を覚えるのである。

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