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2004年5月11日

Winny と著作権

10日に福岡に出張し、夕方ホテルに入ると、ロビーにあった夕刊のトップに「Winny 開発者逮捕」の記事が載っていた。

「へぇ、Winny の開発者って日本人だったのか!」逮捕の記事が流れて、初めて知った。私はこれまで、この類の話にはほとんど興味がなかったのである。

改めて、この Winny というソフトがどんなものであるかということを説明したサイトに行ってみたが、私個人としてはあまり魅力を感じなかった。

基本的に、このソフトを使って世の著作権というものを犯さないようにしたら、あんまり面白いファイルが手に入りそうには思えない。面白いファイルを入手しようと思ったら、多分、著作権を侵すことになるだろう。私個人としては、そこまでして入手しようとも思わない。

ただし、開発者の 「47氏」 が志向したと思われる「著作権という概念の質的変化」への対応には、興味がなくもない。私も、著作権の現在のコンセプトは確かにオールド・ファッションドだと思う。まったく新しい形の著作権のコンセプトがあってもいい。

例えば、ハリウッド的な大作主義の映画を作ろうと思ったら、著作権に基づいた収入を想定しなければ制作自体が不可能になる。だから、ああした作品がお好きなら、ちゃんと入場料を払い、DVD をきちんと買うべきだろう。

しかし、もっと 「草の根的」 な芸術作品がお好きなら、あんまりお金のことで面倒な運用が必要なのは、うっとうしい。インターネット時代のアートは、そうした志向への萌芽が見られる。印税収入で豪華な別荘を買い、銀座のクラブでドンペリを飲むような暮らしがしたいわけじゃない。

じゃあ、どんな風にすればいいのかというビジョンは、まだ明確にはされていないけれど、クリエイティブ・コモンズはある程度の方向性を示していると思う。それで、私は「和歌ログ」でこのムーブメントに参加したわけである。

 

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