ニューヨーカーの話術
ニューヨーカーは早口が多いが、ファッション業界の人間はとくに早口で話す。悠長にしゃべると馬鹿にされかねないので、マシンガンのように言葉を発する。
19日はそのニューヨークのファッション業界で働く女性二人によるプレゼンテーションに参加した。とにかく、速い速い!
早口なだけではない。関係代名詞を多用してセンテンスを長くし、それを一息でしゃべる。その上、一瞬後には次の長いセンテンスに移る。いつブレスしてるのだろうと思うほどだ。その中に、時々短いハードボイルドなセンテンスをひょいと挟み込むのが、効果的な話術ということになっているようだ。
しかも、今回のプレゼンテーションは二人の掛け合いなので、一方がしゃべっている間にもう一方は休んで体力を温存できる。だからスピーカーが交代するたびに、しゃべりのアクセルペダルがどんどん踏まれて加速する。
こちらはネイティブスピーカーではないから、ただでさえヒアリングが大変なのに、あんなに長いセンテンスを速くしゃべられたら、半分は理解できない。まあ、パワーポイントで要点がスクリーンに映し出されているので、想像力で補ってなんとかなることはなるのだが。
それにしても、あれはニューヨーク流の話術なんだろうなぁ。相手につけ入る隙を与えないほどの密度でしゃべりまくり、自分が有能であることを印象付ける。会話の場合には、そのマシンガンのようなしゃべりにちょっとした「間」を見つけては、切り返して行く。
たしかに、ソフィスティケイテッドでしかもスリリングな会話が楽しめるスタイルだ。悲しいかな、こちらにはそれだけの英語力がないので、自分で参加することはできないが。
ただし、あれだと攻撃には強いが、守りに弱い会話になってしまうだろうなぁ。ビジネスライクな場面でもかなりストレスになるだろうが、プライベートなケースで、しかも恋愛関係のもつれなんかになったら、あのスタイルの会話では、関係修復は不可能だ。どんどん深みにはまる。
ニューヨーカーに離婚が多いのもうなずけるなぁ。
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