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2004年6月27日

「公示」 と 「告示」

昨日、選挙の「公示」と「告示」の違いについて、ちょっと筆が滑って「あまり意味がありそうにも思えない」などと書いてしまったが、よく調べるてみると、ちゃんと「根拠」があるのだった。

しかし、その「根拠」そのものが、なんだかおかしいのである。

一般的には、「公示」は衆議院総選挙と参議院の通常選挙だけで用い、地方選挙は「告示」ということになっているが、同じ国政選挙でも、補欠選挙の場合は「公示」ではなく「告示ということになっているようだ。

これに関して、「意味のないことで複雑な言い回しをしてるなぁ」と思っていたのだが、よく調べたら、憲法に「天皇の国事行為」として次の規定がある。

第7条 国事行為 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。

(1,2略)

3 衆議院を解散すること。

4 国会議員の総選挙の施行を公示すること。

つまり総選挙の施行は、「天皇の国事行為」として「公示」されるのだった。そのほかの地方選挙などは、選挙管理委員会が「告示」するのである。そして、同じ国政選挙でも、補欠選挙は「総選挙」ではないから、天皇の国事行為にはならず、従って「告示」なのだろう。

しかし、一般的には、「総選挙」 というのは衆議院選挙のことで、参議院選挙は含まれないのではないかという疑問がおこる。

朝日小学生新聞のサイトの 「ニュース DE ジャンケンポン」 という Q&A コーナーでは、

衆院議員は480人いるんだけど、全員をいっぺんにえらび直すから「総選挙」といっている。参議院は3年ごとに選挙があって、半数ずつ交代するから総選挙とはいわないんだ。

と、明確に参議院選挙は「総選挙」ではないと言っている。まてよ、そうしたら、参議院選挙のスタートは、天皇の国事行為である「総選挙の施行を公示すること」ではないから、「公示」という根拠が消えてしまうのではないか?

そこで調べてみると、やはりその矛盾を指摘している人がいた。

(以下、http://www12.ocn.ne.jp/~s-k/tango/sousenkyo.html より引用)

ⅰ 相対的に広義の総選挙
  憲法7条4号の 「総選挙」

全国のすべての選挙区にわたって実施される選(「総」"区"「選挙」)

衆議院議員について、任期満了および衆議院の解散により実施される選挙、のみならず、
参議院議員について、3年ごとに議員の半数について実施される選挙、をも含む

ⅱ 相対的に狭義の総選挙
  公職選挙法の 「総選挙」

<一院を基準に>すべての議員について実施される選挙 (「総」"員"「選挙」)
衆議院議員について、任期満了および衆議院の解散により実施される選挙、のみ。
参議院議員について、3年ごとに議員の半数について実施される選挙、は、
すべてでなく半分の議員について実施されるにすぎないので含まない。

(理解しやすくするため、引用者が重要ポイントを赤字にした)

要するに、憲法と公職選挙法が矛盾するのである。選挙管理委員会は、長年にわたり憲法違反をしてきたことになる。参議院選挙は「総選挙」ではないというのなら、日本中の選挙管理委員会が連名で「告示」すればいいではないか。

そもそも、参議院選挙が「総選挙」ではないと言い張ることに、具体的メリットがあるわけでもなんでもないではないか。天皇陛下に「公示」していただいてるいるくせに、どうでもいいところで、わけがわからないことを言っている。

もう、本当にこの国は、自衛隊といい、総選挙といい、憲法の条文を曖昧に解釈したままのご都合主義的運用が基本になっていることがわかる。この「ご都合主義」が、社会全般に悪影響を与えている。このあたりからして、憲法見直しは急務だろうなぁ。

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