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2004年6月22日

親と子の絆

21日午後、熊本から帰る機内で、母親がいくらあやしても、床を踏み鳴らして泣き叫び続ける子供がいた。

満席に近い中でこうなると、隣に座った乗客は悲劇である。飛行機の中では、ちょっと離れればさほど気にはならないが、隣だと、神経がずたずたになる。

以前、高知に行った時に、隣の席の子供が延々と泣き続けたことがある。この時は、客室乗務員のおネエさんが、かなり離れたところの空席に移らせてくれて、なんとかなった。その子供の泣き叫ぶ声は、高知に着くまで遠くから聞こえた。

はっきり言わせてもらえば、子供がむずかるのは、病気などの場合を除けば、子供ではなく、親が悪いのである。親が普段からきちんと子供に愛情を注いでいさえすれば、子供というのは親がそばにいてくれるというだけで安心し、泣き叫ぶなんてことはないのである。

子供が泣き叫ぶのは、親のストレスの現われだ。子どもというのは敏感だから、親のストレスが伝染してしまう。親は自分のストレスの原因がわかっているが、子どもはそれがわからず、ストレスだけ感じるのだから、その不安は親以上になる。そして、飛行機の中のような特殊な環境になると、その不安が爆発してしまう。

車内や機内で泣き喚く子供の父親や母親が、自分の子供をあやすのを見ていると、確かに子供への接し方が見事に下手くそである。自分がオロオロしてしまうか、 ヒステリックになるかのどちらかである。両方とも、根っこは同じだ。子どもの気持ちを忘れて、自分の都合だけになっている。

情愛のベクトルが、子どもではなく、自分に向いている。泣き叫ぶ子どもが哀れと思わずに、こんなに泣き叫ぶ子供を持った自分が哀れと思ってしまっている。あれでは、子供はますます不安になる。親のカウンセリングが必要だ。

親の仕事の一番重要なのは、着飾らせることでもなく、いい幼稚園にやることでもなく、「お父さんとお母さんは、いつでもお前と一体だから、何があっても、絶対に大丈夫!」という信念を、子どもに感じさせてやることである。それが基本だ。

我が家は大した子育てはしなかったかもしれないが、3人の娘たちは、私か妻が抱っこしてやれば、どんなに泣いていてもじきに泣き止んだものだ。公共の場で泣き喚いて迷惑をかけたことなど、一度もない。これだけは誇ってもいいが、実はそれほどのことでもなく、当たり前のことなのだ。

 

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