新暦の七夕は興醒めだ
この時期になると毎年のように書いているのだが、新暦の七夕だけはなんとかしてもらいたい。月遅れの七夕に馴染んでいた私は、東京に出てきて新暦の七夕をみて、「本気かいな !?」 と愕然とした。
本来の七夕の季節感は、旧暦 7月 7日にこそふさわしく、新暦では早すぎる。
ちなみに、今日は旧暦で言えば、まだ 5月 20日である。皐月である。6月(水無月)にもなっていない。五月雨の季節なのである。今年は空梅雨で、五月雨こそ少ないが、本来の七夕を祝うには、一月半も早すぎるのだ。
今年の旧暦 7月 7日(本当の七夕)は、新暦でいえば 8月 22日になる。お盆を過ぎた頃である。このあたりになると、日の入りもかなり早くなり、夜が長くなる。星がきれいに見え始める頃である。七夕の季節感は、まさにこうした時期である。
さらに、旧暦は月の満ち欠けをもとにしているので、7日といえば必ず半月である。その半月が天の川を横切るのを、織姫と彦星の逢瀬を演出する舟に見立てているのである。なかなか風流な話なのだ。
七夕だけでなく、桃の節句も端午の節句も、みな季節感がおかしいのである。こうした祝い事は、旧暦に戻してしかるべきだと、私はしつこく叫びたいのである。
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