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2004年7月15日

水害の恐ろしさ

今回の梅雨前線の活発化で、新潟、福島の両県では大変な災害になった。テレビで見ると、胸まで水に浸かって歩いている。あんなのは初めてみた。

かくいう私も、20年近く前だが水害で、高台の小学校に非難したことがある。あの時は大変だった。

我が家の一帯は洪水地域であり、最近は下水道整備などのおかげで滅多に大水は出なくなったが、大雨が降ると道路の冠水ぐらいは珍しいことではない。昭和 61年の台風 10号の時は、小貝川の堤防が決壊するほどの被害が出たが、我が家の裏手を流れる小川も、土手のスレスレまで水かさが増え、かなりの危機的状況だった。

それでなくても、道路は冠水して腰のあたりまで水に浸かってしまう。土手は水をたっぷり吸って、まるで豆腐の上を歩いているような気がした。いつ決壊しても不思議ではなかった。空は台風一過の青空なのに、川の水かさだけは上流からの水でどんどん増えてくるのだから、やりきれない。

大切なものと畳はすべて 2階に運び上げたところで、避難勧告が出た。皆でバスに乗って高台の中学校に非難した。当日は、炊き出しのおにぎりが振る舞われ、毛布にくるまって一晩過ごした。

朝になって下を見下ろすと、我が家のあるあたりが朝日にキラキラ反射していた。まだ水に浸かっているということだ。かなり印象的な光景だった。

その頃、妻は 三女を身ごもっていた。二人の幼い子どもと妊婦、そして犬一匹を連れての避難は、肉体的にも精神的にも、かなりの負担だった。こんなことは二度と御免だと思った。

とにかく、水というのは正直なもので、周囲よりも 30センチ低ければ、水に浸かって 30センチの水深となる。1メートル低ければ、1メートル没する。悲しいものである。ごまかしが効かない。雨が止んでしまえば、高台の土地はなんでもないのだが、水害地域は、台風一過の青空のもとで、なお増水に怯える。

洪水対策として、護岸工事だの堤防だのと、いろいろな工事が行われるが、結局は山林の保護が重要なのである。山林を皆伐し、山肌を崩し、経営不振でつぶれるようなゴルフ場を作り、自然を壊してきた報いである。地球温暖化ばかりではない。水害対策にも環境保護は重要なのだ。

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