「栄養費」の裏事情
「なんだ、そうだったのか」 である。巨人軍ナベツネ氏辞任の発端は、右翼団体による不祥事指摘であるらしい。(こちら)
それを受けて、袖の下の解決でなあなあに済ませようとはせずに、自分から公表して収拾を図ったのは、さすがに一応大新聞社の見識とは言えるだろう。
しかし、だからといってトカゲの尻尾切りではなく、ナベツネ氏までが辞めてしまうというのは、やはり、これをきっかけに大きな方向転換を読売自体が図った証左とみていいのではなかろうか。私が三日前の当コラムで指摘したように、これまでの 「馬鹿馬鹿しいやり過ぎ」 を是正するのにちょうどいい機会とみる判断が働いたとしても、まったく不思議ではない。
「禍転じて福となす」という諺があるが、今回のケースはむしろ「瓢箪から駒」と言った方がいいかもしれない。これも、奇しくも 3日前に書いたことである。この世は思いがけぬ成り行きが絡まり合って、こけつまろびつ展開していくものである。
いずれにしても、これをきっかけとして、有力選手スカウトに法外な大金が動いていたこれまでの「裏の慣習」は、自ずと是正の方向に向かわざるを得ないだろう。
去年までの逆指名選手は幸運だった。たった 1年遅れただけで、大金を手にすることができなくなった今年の大卒有力選手は、とんだとばっちりである。
しかし、世の中、何が幸いするかわからない。これで、プロ野球という業界の悪しき慣習が消えるとなれば、金持ち球団にだけ有力選手が集まるというアンバランス状態が少しは解消し、業界の健全化につながるのではなかろうか。
その改革の過程として、暗黙の了解であった裏金の授受について、プロ野球側が大学野球側に謝ってみせ、大学野球側が一応の不快感を表明してみせるなどの「田舎芝居」もして見せなければならないわけだ。こうした手続きも、なかなか大変なことではある。
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