本当の七夕
実は、今日が本当の七夕である。旧暦の 7月 7日が、今日なのだ。
俳句では七夕は秋の季語ということになっているが、本当の七夕というのは、ようやく秋の気配の漂う頃の行事であることを理解しないと、まるで実感が伴わない。梅雨明け前の七夕飾りは、陳腐である。
東北では、仙台の七夕祭りを始め、「月遅れ」の七夕を祝うところが多い。しかし、この「月遅れ」でも早すぎる場合が多いのである。旧暦というのは、新暦よりも 1ヶ月以上遅れる場合が多いからだ。
ようやく朝晩はしのぎやすくなってきた。七夕らしい季節感である。
それにしても、俳句の世界というのは、新暦と旧暦が渾然一体になって、ちょっと交通整理がつきかねるのではなかろうか。例えば、東京近辺の新暦の七夕を題材として俳句を作っても、歳時記では七夕は秋の季語ということになっているから、ちょっとした矛盾が生じる。新暦の七夕は、梅雨明け前の蒸し暑い時期だからだ。
ちっとも秋らしくない光景を、「秋の季語」として扱わなければならないというのは、「本音と建前」論にも共通するところのあるうっとうしい問題である。軍隊を持っていながら、「戦争と軍備を放棄している」と言い続けるくらいにうっとうしい。
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