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2004年9月 1日

女子のメダル数と出生率

アテネ・オリンピックで日本は、金 16、銀 9、銅 12、合計 37個の、過去最高の獲得メダル数となった。

金 16個のうち、9個が女子選手によるもので、今回は当初から女子選手数の方が多いと話題になったが、やはり、日本女子は強かったということになる。

昭和 39年の東京オリンピックのことを、私は今でもかなりはっきり憶えている。日本の金メダル獲得数は、今回と同じ 16個だったが、そのうち、女子は「東洋の魔女」といわれたバレーボールだけで、残りの 15個は男子種目だった。だから、同じ「金 16個」でも、中身は大違いなのだ。

中身が違うのは、日本社会の環境が変わったことの反映である。具体的に何が変わったかといえば、日本女性の結婚に関するしがらみがなくなったのである。

東京オリンピックの頃は、女性は 20代に達したらそろそろ花嫁修業を始めなければならなかった。20代半ばを過ぎても独身で、スポーツなんぞにうつつを抜かしていたら、親は身が細るほど心配したし、世間から何を言われるかわからなかった。女性がスポーツに打ち込めるのは、相当な有望選手を別とすれば、学生時代か、せいぜい20代前半までだった。

ところが、今は男女を問わず結婚年齢が上がった。30歳になってもまだ堂々と独身で行ける。つまり、スポーツの精進にかけられる年期が違うのである。それだけではない。柔道の谷選手なんかは、結婚してからもでも「主婦業」を免除されている節がある。良妻賢母しなくても、後ろ指を指されずに済む社会環境になったのだ。

男子の場合は、元々昔から肉体的限界まで現役でいられたが、女子がそうなったのは、最近のようなものである。だから、急に強くなったような印象がある。

つまり、女子のメダル獲得数増加と出生率の低下は、表裏一体なのだ。

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