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2004年8月14日

ホーバークラフトという乗り物

昨日は大分からの帰路、市内から大分空港まで行くのに、話の種にと思い、日本で唯一航行している「ホーバークラフト」というのに乗ってみた。

真下に向かって空気を吹き付けて浮上し、陸地だろうが水上だろうが、一気呵成に滑走する乗り物である。

結論。確かに、こうしてコラムに書いているのだから、「話の種」にならなかったというわけではないが、乗って面白い乗り物だったかというと、決してそういうわけでもない。

「別府湾を一気に渡る」というので、フェリーのように船着き場で乗船するのかと思っていたら、そうではない。海に面した陸地をコンクリートで固めた発着所から乗り込むのである。客はぞろぞろと乗り込み、船内(「船内」と言っていいのだろうか?)の座席に着く。発時刻になると、おもむろに地面に空気を吹き付けて浮き上がる。

船体(「船体」 と言っていいのだろうか?)の下部には巨大なるスカート状のものがあり、圧縮した空気をその内部に吹き付けるので、効率よく浮上する。そのままスロープを滑り降りて海面に移動し、後はプロペラで一気呵成に海を滑っていく。

水面から浮き上がっているので、水の抵抗を受けることがほとんどなく、確かに速い。ビュンビュン行くという感じである。

ただし、海を行く間は水しぶきが凄いので、デッキに出ることもできない。そもそも、デッキなんてない。船内(しつこいが、「船内」 と言っていいのか?)に閉じこめられ、ひたすら 25分間、向こう岸に着くのを待つ。着くと、またスロープを滑り上がって、大分空港に隣接した発着所に降り、あとは空港ロビーに向かうだけである。

両端の陸地部分は滑るように移動するが、海面を行く間は結構揺れる。飛行機で言えば、常に乱気流状態である。「たった 25分間なので、トイレは付いていません」 ということだったが、あれでは、たとえトイレがあったとしても、用を足すのはしんどそうだ。

要するに、バスで延々 1時間以上かかって行くよりも、ずっと短時間で行けるというメリットだけの、かなり即物的な乗り物なのであった。外側から見れば、水面を浮き上がって濛々たる水煙をあげて滑走するというのが、確かにスペクタクルではあるが、乗っている者にとっては、単に 25分間閉じこめられているに過ぎない。

乗る前には、海上を行く 「オモムキ」 のようなものを期待していたのだが、実際には、そんなものはほとんどない。多分、外側から見る方がずっといい。これが、今回の 「話の種」 である。

tak-shonai の本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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