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2004年8月 3日

"Windows" と "Lindows"

先頃、「リンドウズ」 が 「リンスパイア」 に改称したというニュースが流れた。例の リナックスをベースに、ウィンドウズ・ライクなインターフェイスを提供したものである。(参照

マイクロソフトの提訴が通ったためで、初めは「MS もずいぶん細かいところで『ケチ』だなあ」と思っていた。

パッケージの字面だって "L" と "W" ではずいぶん違うし、見間違える心配はあまりない。マイクロソフトほどの大企業が、小さな企業のちょっとした「しゃれ」を潰すなんて、度量が狭すぎるのではないかと感じられた。

そもそも、ウィンドウズなんて、購入したパソコンに最初から入っているのが普通である。ウィンドウズ・マシンを自作しようとして、間違って「リンドウズ」のパッケージを買ってしまうなんて人は、そもそも最初から自作なんかすべきではないだろうし。

今回の提訴では、マイクロソフトがわざわざ「リンドウズ」を有名にしてあげただけのようなものじゃないかと、いささか疑問に感じていた。

しかし、試しに「英語で」発音してみるとわかる。日本語流の発音で、「ういんどーず」というと、やや微妙ではあるが、ほぼ 5音節となって、明らかな 4音節の「りんどーずとの区別はつきやすいが、英語では "Windows" も "Lindows" も、どちらも 2音節である。わずか 2音節の単語の、最初の子音のみが違うのである。

その最初の子音が、"L" でなくて、F、T、P などの音だったら、まだ違いがわかりやすい。しかし、"W" と "L" では、耳で聞いた場合に、確かに取り違えやすいのである。もし "R" だったら、もっと紛らわしかっただろう。

これでは、"Windows" と言うたびに、その裏側で "Lindows" を想起させることになりかねない。なるほど、マイクロソフトが過敏なまでに反応したわけがわかったような気がする。

日本語では「しゃれ」で済まされても、英語ではそれでは済まされなかったのだ。マイクロソフト・ジャパンが、この問題では案外のほほんとしていた訳もわかったような気がするのである。

ちなみに、これからは「リンスパイア」になる「リンドウズ」の日本語版は、あのライブドアが発売しているようだ。

tak-shonai の本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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