滑稽で理不尽な校則
今月 15日の当コラムに 「変な法律」 について書いたが、「変な校則」 というのも枚挙にいとまがない。
新聞の切り抜きをスキャンしたと思われるものをアップしただけのサイト(こちら)があるのだが、読んでみると、冗談にもならないくだらない校則のオンパレードだ。
「肌着の色は肌色・白色一色の物に限る」とか、「天然ウエーブについては、入学あるいは転入学時に生徒指導に申告し承認を受ける」なんていうのは、かなり馬鹿馬鹿しい。
「異性の先生と話をするときには 20センチ以上間隔を取る」とか、「校外で異性と一緒に歩いてはいけない。相手が父親や兄弟であってもいけない」なんていう病的なものまである。
私の経験に照らし合わせても、多くの学校の教師というのは、新奇のものは「取り敢えず禁止」しておかないと安心できないという気の毒な種族のようなのだ。
はるか昔の話だが、変速機付き自転車というのが世に出始めた頃、私の通う中学校の生徒指導主任の教師が、朝礼で「自転車は 3段変速まで許可する。それ以上の変速は、危険なので禁止!」と言い放った。
しばらくして、私は新しい自転車を買ってもらった。本当は 5段変速が欲しかったのだが、予算の都合で、中途半端な 4段変速にした。1段オーバーだが、学校の言うことなんて、知ったことか!
しかし、周囲の「いい子」たちは、予算の余裕があっても、みな素直に 3段変速で我慢していた。
それから 1か月ほど経った朝礼で、その生徒指導主任がとんでもないことを言い出した。
「以前、自転車は 3段変速まで許可と言ったが、よく調べてみると、自転車の変速というのは、上と下は決まっていて、間が細かく分かれているだけだそうだ。だから、何段変速であっても、スピードが出すぎて危険ということはないらしい。よって、今後は何段変速でも許可する」
この朝令暮改を聞いて、私は怒り心頭に発したのである。
まず、言いたかったのは、「以前から勘付いてはいたけど、あんたたちは物事をよく調べずに、何の根拠もなく雰囲気だけで禁止するんだな!」ということだ。
さらに「何段変速であろうと、そもそも人力で動かす自転車が、そんなに危険なほどのスピードを楽に出せるわけがないではないか。そんなことがわからずに、よく教師なんてやってられるな!」と言いたかった。「素直に言うことを聞いて、5段変速が欲しかったのに 3段変速で我慢した友達が何人もいるんだ。そいつらに謝れ!」
そして、もっとも声を大にして言いたかったのは、次のことである。
「普段は理不尽な禁止事項を押しつけて平気でいるくせに、今回だけはあっさりと非を認めたのは、どうせ、街の自転車屋からクレームが来て、圧力がかかったんだろう! 言い訳を聞いて、すぐにピンときたぞ!」
いくら理論的に危険ではないとわかったとしても、いつものやり口では「贅沢品は禁止!」などと言って済ませていただろう。いつに似ず、こんなに簡単に前言撤回したのは、よほど強くクレームをつけられたか、酒肴の接待でも受けたか、あるいはその両方だろう。
元々、その生徒指導主任は虫が好かなかったが、それを境に、私はその教師とは一言も口をきかなくなった。
教師が生徒の信頼を失うなんて、簡単だ。高圧的な態度で、何でもかんでも理不尽に「禁止!」と言い放ち、そのくせ裏の圧力には、すぐに屈してしまえばいい。
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