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2004年9月24日

小泉さんの英語の演説

小泉首相の国連での演説の一部が、ニュースで放映された。常任理事国入りをアピールする演説の内容としては、それほど変なことは言ってないと思う。
むしろ気になったのは、小泉さん、ロンドン大学に留学していたという割には、英語の発音がとても下手ということだ。

国連総会という晴れの場で、英語で演説してみせるというパフォーマンスで、得点アップを狙ったのかもしれないが、あれでは、かえってイメージが落ちたのではあるまいか。

少なくとも私は、通訳付きで日本語で演説した方が、ボロが出なかったと思う。どうせ、最初から同時通訳者に原稿を渡すのだろうから、実質的には何語でしゃべろうとあまり関係ないだろう。

外交の場では、どこにあるのかもよくわからないような小さな国の首脳が、流暢な英語で話しているが、日本の首脳が英語で話すのは稀である。日本の首脳の能力が劣るようにさえ見えるが、そうとも限らない。

小さな国では、高等教育を受けようと思ったら、海外留学するしかないということが多いのである。難しい本を読みたかったら、原書か、英語に翻訳されたものを読むしかないということもある。

最高学府を卒業するまで、ほとんど自国語で足りて、大抵の学術書もすぐに自国語に翻訳されるという恵まれた環境に、日本はあるのである。だから、英語習得はするに越したことはないが、必須の条件というわけではない。

英語がしゃべれないと不便でしょうがないということは、日常生活ではあり得ない。

そういう国だからこそ、英語でしゃべると一見かっこよく見えるということもあるので、小泉さんは無理して英語のスピーチをしたのだろうが、"L" と "R" の区別の付かない典型的カタカナ英語の枠を出なかった。

カタカナ英語ならカタカナ英語で、素直にしゃべればまだ通じやすかったのに、妙に気取ってしゃべろうとするものだから、ところどころ吃音気味になり、聞きにくい演説になってしまったと思う。

英国で 2年間も暮らした人とは、とても思えなかった。以前取りざたされた彼自身の留学疑惑が思い出された。

英語に関しては、マキコさんの方がずっと上手だ。マキコさんは、日本語は少し訛りがあるが、英語はとてもきれいに話す。

ちょっと横道に逸れるが、マキコさんはあれだけ英語をきれいに話せるのに、きれいで上品な母国語を話そうと努力しているようにみえないというのは、ちょっと面白い。国内においては、自分のナチュラル・キャラが「標準」と思っているのかもしれない。

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コメント

CNNから
“The other day the Japanese Prime Minister made a speech in English at the United Nations in New York.Right after the speech one representative from Europe said, “I'didn't know that the Japanese language is so similar to English."

投稿: oggi8888 | 2004年9月24日 23:48

oggi8888 さん,

Thank you for your comment of a hard crack.
Maybe it was a joke, but serious enough as well.

投稿: tak | 2004年9月25日 01:04

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