もうすぐ新蕎麦の季節
大人の男のための雑誌というジャンルがあるが、毎年この時期になると、判で押したように「蕎麦」の特集が組まれる。
今年も、「男の隠れ家」9月号で「大人のそば処」という特集が組まれ、「サライ」2004年 17号でも「 日本の名蕎麦」を特集している。
毎年この季節に蕎麦特集ということになるのは、もう少し経つと新蕎麦が出回るからだろう。旧盆の過ぎた頃から、早くも「新そば」のポスターをこれ見よがしに貼っている蕎麦屋があるが、それはかなり怪しい。
確かに、北海道あたりでは 8月頃から収穫の始まる蕎麦があるらしいが、それでも出荷されるのは早くても 9月になるだろう。8月から「新そば」のポスターを貼っているのは、駅ビルや地下街のどうでもいい「食堂蕎麦屋」みたいなところが多い。そんな店が苦労して早出しの新蕎麦を入手してるとは考えにくい。
そもそも 8月に収穫される「夏蕎麦」は、寒冷地仕様であり、一般に「新蕎麦」といえば、秋に収穫される「秋蕎麦」のことだという説も根強い。
ちゃんとした蕎麦屋に聞けば、いつから新蕎麦を打ってくれるのか、きちんと教えてくれる。私の経験からすると、それはやはり 11月に入ってからということが多い。ちゃんと天日で乾燥させた玄蕎麦の出荷を待てば、自然、それほど早くは入手できないのかもしれない。
ただ、きちんとした新蕎麦を出してくれる店というのは、概して新蕎麦でなくてもちゃんとおいしい。昔は、夏場を過ぎた蕎麦はかなり品質が落ちたらしいが、今は保存技術も進歩したので、ちゃんと気を遣っていればそれほど劣化しないと聞く。
1年中安定した蕎麦を提供してくれるのが、本当にいい蕎麦屋である。秋が深まった頃に香り高い蕎麦を食して、「新蕎麦ですか?」と聞くと、「いえ、新蕎麦は来週からです」などと言われることがあるほどだ。いい蕎麦屋の新蕎麦は、かなりの部分「気分の問題」というところがあるかもしれない。
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