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2004年9月 7日

ティッシュとハンカチ

「郷に入りては郷に従え」と言う。確かに、どこに行っても自分の流儀をごり押しすると摩擦が起きる。行った先の習慣には素直に従う方がいいようだ。

とはいえ、それも程度問題である。私は欧米に行っても、ハンカチで鼻をかむ気になれず、ティッシュペーパーを使う。

とくにヨーロッパの人は、飯を食っていても何をしていても、ハンカチを取り出して盛大に鼻をかむ。日本では「ちーん」なんていう擬音語を使うが、そんなものではない。「ビーム!」という感じの大音量なのだが、周囲の人は全然気にしない。逆に、すぐに鼻をかまずにズルズルすする方が嫌がられるようだ。

私はどうもそこまでいかない。どうしても日本流にポケット・ティッシュをこそこそと出して、そっと鼻をかむことになる。遠慮することはないのだろうが、これが身についた文化性というものだろうか。

とにかく、欧米ではハンカチというのは手を拭く道具ではないようで、どちらかというと鼻をかむためのものであるようだ。

それでは、トイレで手を洗ったらどうするのかというと、どこのトイレに入っても、大抵ペーパータオルやエアータオル (あの空気を吹き付けるやつ) が備えられているのである。日本でも最近はエアータオルが普及してきたが、まだまだ少ない。しかし米国では、公共のトイレでペーパータオルもエアータオルも付いていないというのを見たことがない。

だから、ハンカチで手を拭くという必要性はないようなのだ。

日本の感覚で言えば、ハンカチで鼻をかむなんて汚いし、手を拭くのにいちいちペーパータオルを使っては、資源の無駄遣いに思えるが、欧米ではそうではないらしい。

いちいち鼻をかむたびに紙を使う方がもったいなく感じるようで、逆に、手を洗う度に同じハンカチを何度も使って拭く方が汚いと感じているフシがある。所変われば品変わるというが、人間の感覚も大きく変わる。

とは言いながら、「鼻をかむのは必ずハンカチで」というわけでもなさそうだ。アメリカのドラマなどでは、ティッシュボックスを抱きしめてメロドラマを見ながら、涙を拭き拭き、その同じ紙で鼻をかむ女性なんていうのが出てくるし。

そんなわけで、ティッシュペーパーで鼻をかんでも、別に白眼視されることもないようなので、この問題に関しては、私は安心して日本流を押し通している。もちろん、両手を使って。

tak-shonai の本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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