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2004年9月14日

フロッピーディスクはまだ必要か?

スラッシュドット ジャパンというサイトで、「フロッピーはまだ必要か?」が話題になって、やたら多くのコメントが付いている。
私自身は「まだそんなものがあったんだな」ぐらいの認識だが、世の中では、これほどまでにニーズのギャップの激しいメディアもないのではなかろうかと思う。

パソコンでもワープロ専用機でも、フロッピーディスク・ドライブが 2つ付いていて、片方にシステム・ディスクを入れて プログラムを起動し、作成したファイルはもう片方のドライブに挿入したフロッピーディスクに保存するという時代からは、まだ10数年しか経っていない。

それでも、ここ数年、どこかの物陰から大量に出てきた用済みのフロッピーディスクをドサドサっと捨てたことはあっても、使ったことは一度もない。今では私のデスクの周囲に 1枚も見ることはない。そもそも、私の使用している PC には、フロッピーディスク・ドライブというものが付いていない。

近頃は、メディアにデータを保存して持ち運ぶということが滅多になくなった。PC間でファイルの転送をしたかったら、LAN かメールで行う。LAN でつながっておらず、メールも面倒という場合には、USB スティックが登場する。相手にメディアごと渡さなければならない時は、CD-ROM がある。

さらに、1枚のフロッピーに収まりきれない大きなデータを取り扱うことも増えてきた。やはり、私個人としては、フロッピーは過去の遺物である。

しかし、そうではない人もまだ少なからずいる。オフィスでは、今でもハードディスクではなく、フロッピーにファイルを保存している人を何人も知っている。

「そんなの、時間がかかるし、なくしたら大変だから、ハードディスクに保存した方がいい」と勧めても、「いや、この方が、目に見えて安心だから」という。

「目に見える」と言っても、ビットの世界の 0 と 1 の連なりが見えるわけでもあるまいし、そんなのは幻想なのだが、数ギガバイトのハードディスクをガラガラにして、フロッピーを使い続ける。

「この方が、ハードディスクが壊れても安心だから」とも言う。そもそも、ハードディスクが壊れたら、フロッピーのデータが生きていても、作業はできないのに。それに、いずれにしてもどこかにバックアップを取っておかなければ、安心はできないだろう。

その上、私の経験ではどちらかというと、ハードディスクよりもフロッピーディスクの方が、データは壊れやすい気がする。

そのうち、FDD のないPC にモデルチェンジされるのは確実だから、その前に、何十枚ものフロッピーを抜き差ししながらハードディスクにデータをコピーし、それを新機種に転送するという、気の遠くなるような作業を行わなければならない日が来る。

どう考えても非効率な作業をしているわけだが、身に付いた習慣というのは、なかなか抜けない。

昔はフロッピーディスクのことを「ディスケット」という人がかなりいた。英語の文書になると、"diskette" という表記はさらに多かったと思う。英語では単に "floppy" とは言わずに "floppy disk" あるいは ”FD" と言うので、それよりも "diskette" の方が言いやすかったのだろう。

私の知り合いで、これを「ビスケット」だと思いこんだまま、定年退職の日を迎えた人もいる。確かに、3.5インチのフロッピーディスクは、ビスケットほどの大きさではある。インターネットの世界には "coockie" なんて言葉もあるし、ややこしいことである。

tak-shonai の本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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コメント

「ディスケット」というのはIBM用語ですね。
他にもいろいろと独自の用語があって、パソコン初心者の頃苦労した覚えがあります。

投稿: Reiko Kato | 2004年9月14日 01:27

Reiko Kato さん:

>「ディスケット」というのはIBM用語ですね。

そうだったんですか。
道理で、メインフレームを扱っているような人が
この言葉をよく使っていた憶えがあります。

投稿: tak | 2004年9月14日 08:38

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