昼メロの「メロ」って?
昼メロが人気らしい。東海テレビ製作でフジテレビ系で流れている「愛のソレア」ってやつがブレイクしているらしいのだ。
「愛のソレア」というタイトルは「冬ソナ」の二番煎じっぽいが、中身は情念渦巻く濃い世界らしい。だがそれにしても、昼メロの「メロ」って、何なのだ?
一説によると「メロメロになる」の「メロ」ではないかというのだが、それはいくらなんでもあんまりだ。まともに考えれば、「お昼のメロドラマ」を短く言ったものだろうというのは、容易に想像がつく。
それでは、「メロドラマ」って一体なんなのだ。「メロウ (Mellow)」なドラマではないかという説もあるが、違う。"mellow" の意味は「芳醇な」とか「円熟した」とか「上機嫌な」とか、割と「上手に歳を取っていい感じになった」というニュアンスである。意味合いが全然違う。
試しに英和辞書で調べてみると、"melodrama" というのはれっきとした英語で、「感傷的な通俗劇」という意味である。語源はフランス語で、「音楽劇」という意味だそうだ。「へぇ」である。
「昼メロ」は "soap opera" という場合もある。「石けんオペラ」である。1920年代の米国のラジオの昼メロで、せっけん会社がスポンサーになるケースが多かったので、こう呼ばれるようになったというのは、有名なお話だ。
ちなみに、昼メロを成立させる要素は、大雑把に言って 5つある。それは
1. ヒロインは、多くは二流の女優、良くても一流半。
2. 敵役はあくどいまでの演技で、ひたすら意地悪を強調。
3. ヒロインは主張下手で、ただひたすら、おろおろするばかり。
4. ヒロインの数少ない味方も、影で同情するだけの役立たず。
5. 制作コスト節約のため、画像の質はかなり落としてある。
ということになる。
画像の質に関しては、ハイビジョン時代になったらどうなるのだろう。
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