米国の半分は申し訳なく思ってるらしい
"Sorry Everybody" (ごめんね、みんな) というサイトがオープンした。大統領選がブッシュの勝利に終わったことについて、反ブッシュの連中が米国民以外の市民に、ひたすら 「ごめんね」 と謝りまくっている。
米国って、こういう「本気の冗談」(冗談の本気?)があるから面白い。
トップページの冒頭には次のようなテキストが載っている。
Some of us ― hopefully most of us ― are trying to understand and appreciate the effect our recent election will have on you, the citizens of the rest of the world. As our so-called leaders redouble their efforts to screw you over, please remember that some of us ― hopefully most of us ― are truly, truly sorry. And we'll say we're sorry, even on the behalf of the ones who aren't.
下手な翻訳だが、こういうことだ。
私たちの中の幾ばくか − 願わくば大多数 − は、今回の選挙が、あなた方、米国以外の世界市民にもたらす影響を理解し、きちんと認識しようとしています。我々のいわゆる指導者たちが、あなた方を混乱させる所業を倍加させようとしていることについて、私たちの中の幾ばくか − 願わくば大多数 − が、本当に本当に申し訳なく思っていることを、どうかわかってください。私たちは、申し訳なく思ってない人の分まで成り代わって 「ごめんなさい」 を言います。
「ギャラリー」では、10枚の写真が掲載されたページが、日本時間 11月 17日 午後 10時半現在、513ページもある。1枚の写真に 2人というケースもあるので、5,130人以上が登場しているわけだ。すべてが米国民というわけではなく、なかには世界中からのアンサー・メッセージもあるので、なかなか壮観である。
印象的なのは、「米国の投票者の 49%は、『彼』に投票したわけじゃない」「米国のほぼ半分は、今回の選挙の結果を申し訳なく思ってる」 というアポロジー(言い訳)が多いことだ。なるほど、考えてみると、米国の半分をほんのちょっと上回っただけの「意志」が世界を動かすというのは、ちょっと空恐ろしいことだ。
ケリーは敗北宣言の中で「今、国が二つに割れている。それに対して我々は真剣に何かやらないといけない」と述べたと伝えられるが、まさにそれを感じる。荒くれ男とスノブの、相容れない要素が米国の中でせめぎ合っているように見える。
このサイトで謝りまくっている人のメッセージが、すべて「素敵」というわけではない。中には悪趣味なのもあるが、いくつかはとても誠実なもので、心を打つ。ぜひご自分でそうしたメッセージを探してみていただきたい。
このサイトのロゴマークは世界地図を表しているのだが、米国流の世界地図ではないというところが注目だ。米国の世界地図は、アメリカ大陸が真ん中にあって、ユーラシア大陸の東半分が左側、西半分とアフリカが右側に描かれている。
しかし、このロゴマークの世界地図は、アジアが右側にあり、アメリカ大陸が左端にある。東洋が右、西洋が左という単純な理屈に沿っているわけだ。少なくとも、米国のエゴを否定したコンセプトを強調しているように見える。
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