再び、何が "Real" なのか
ニューズウィークの調査によると、米国民の 79%が、聖母マリアの処女懐胎を信じているとということだ。(参照)
一昨年の今頃、当コラムで、「何が "Real" なのか」 ということを論じた。英国 BBCの、「処女懐胎は迷信」との立場でのドラマ放映に関連したものだった。
BBCのドキュメンタリードラマ「聖母マリア」では、「マリアはローマ人兵士にレイプされてイエスを身ごもった」と受け取れる場面が放映されたため、世界中から抗議の電話が殺到した。バチカン市国の広報官も「真実をねじ曲げた罪深い番組」と抗議声明を発表した。
一方、同年同月 22日付の英日曜紙サンデー・テレグラフの独自調査によると、英国国教会の聖職者のうち、4分の 1以上は「処女懐妊を信じない」とする「現実派」ということだった。
私は一昨年のコラムで、「少なからぬ聖職者までがそれ(処女懐胎)に懐疑的であることに驚いている」と述べている。
今回のニューズウィークの調査によれば、米国の一般国民でさえ、英国国教会の聖職者よりも聖書の記述をずっと素直に信じているというわけだ。さらに、キリスト教徒に限れば、87%が処女懐胎を信じているとレポートされているから、米国のキリスト教徒は、さらに敬虔であるということになる。
さすがに、英国からよりピュアな信仰を求めて渡ってきた人たちの子孫といえるかもしれない。
さて、何が「リアル」であるかということだが、マテリアル(物質的)なリアルさと、スピリチャル(精神的)なリアルさとは違っていても構わないと思うのである。私は究極的には「スピリチャルなリアルさ」の方を取る。
日本の国の中でこう言うと、かなりエキセントリックに思われるかも知れないが、米国では(いや、米国に限らず、西欧社会では)この感覚こそ、多数派なのである。だから、私をあまり「変わり者」と思わないでいただきたい。私を「変わり者」と思う人こそ、国際社会では「変わり者」と思われかねないという認識だけは、持っていていただきたい。
最先端の物理学でも、我々が「リアル」と思っている「物質」というものの「あやふやさ」は徐々に明らかになってきているようだし。
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