「深川めし」のトレードオフを嘆く
今日のネタは、我ながらみみっちいお話である。みみっちいけれども、見過ごせない気がして、書かせていただくわけだ。
私は東京駅から新幹線に乗る時は、「深川めし」という駅弁をずっと贔屓にしてきた。 値段は 830円と、駅弁にしてはお手頃で、しかも中身がシンプルでうまい。
どんな中身かというと、あさりご飯に穴子の蒲焼とハゼの甘露煮を乗せ、小茄子の漬物、べったら漬けなどを付け合せたものだ。いかにも「江戸、深川」を感じさせる粋な献立である。合成着色料たっぷりの幕の内弁当的なものの並ぶ中で、 「深川めし」はとても魅力的な選択なのだ。
しかし、一昨日岐阜方面への出張で、東京駅でいつものように「深川めし」を誂え、頃合を見て蓋を開けたとたん、私は驚いてしまったのである。先月、神戸に行った時までは、確かに穴子の蒲焼は三切れ乗っていて、私は満足して食したのである。ところがなんと、今回は二切れに減ってしまっているではないか。
最近、自分の好きなものを食ったときはデジカメで記念の映像を残しておく習慣なので、穴子の蒲焼が三切れだった頃の証拠写真もちゃんと残っている。上が先月までのバージョンだ。少しわかりにくいが、右端にもあさりの身がびっしりと並んでいたのである。
下が今回のバージョンである。ご覧の通り、視覚的にもずいぶん貧弱で淋しくなってしまった。心なしか、メシが少なくなっているような気もする。
製造元の日本レストランエンタプライズは、どうやら 830円という価格を優先して中身を犠牲にするという「トレードオフ」を行ってしまったようなのだ。これは甚だ残念なことである。少なくとも私に関しては「深川めし」を選択する要因は価格ではなく中身である。だから、中身を維持するために値段が 850円や 900円になったとしても、浮気なんかしないのだ。
値段を優先するというのなら、何も駅弁なんか買わない。構内に入る前に、コンビニで 350円ぐらいの弁当を買えばいいのだ。つまり駅弁というのは、今や値段ではないのである。「深川めし」の場合は、トレードオフをするなら、中身を優先して値段を犠牲にした方がよかったと思う。これは、マーケティングの視点からも重要な問題だと思うのだ。
(平成 17年 7月 23日 追記)
この記事は、実は勘違いに基づいているということが判明した。詳細は、こちら。
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