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2004年12月27日

ネットワーク昔話

近頃、あちこちのサイトで、インターネットやネットワークの昔話が流行っている。それで、私もちょっとやってみたくなった。

私のインターネット歴も案外古いのだが、インターネット以前、しかも「パソコン通信」以前の話まである、結構なシガラミを背負っていたりするのである。

1990年代初頭、私は某国際的団体の職員だったことがある。その団体のアジア地域を統括するホストコンピュータは、日本支部の東京オフィスにあった。私の部署の上階にあるコンピュータ室の分厚い扉の奥で、何だかうすらでかいマシンが、オープンリール・テープみたいなものを、クルクル廻していたのである。

当時、インターネットはまだまったくと言っていいほど普及しておらず、それどころか、パソコン通信をしている者だって珍しかったが、その団体内部では、ヒューレット・パッカードが開発したイントラネットの簡易版みたいな "HP Desk" というネットワークが稼働していた。

これは、構造自体は単純でありながら、扱おうとすると案外面倒なシステムだった。MS-DOS 時代なので、基本的にシングル・タスクで、画面を切り替えてのコピペという作業すら面倒だったのである。

朝一番に出社すると、まずその "HP Desk" を開けて、自分宛のメールを確認する。このシステムは英語しか受け付けないので、馬鹿馬鹿しいことに、日本人スタッフ同士のやりとりまで英語である。うっとうしいことこの上ない。おかげで、普段の会話まで自然にカタカナ言葉だらけになる。

緊急に返事の必要なメールがあると、大急ぎで英語の返事を書かなければならない。そうこうしているうちに、時差の関係で韓国や香港の支部の連中が五月雨式に出勤してきて、東京のホストに接続し始める。すると、こちらの PC の動作がガクンと遅くなる。ますますうっとうしい。

ある時、コンピュータ室のスタッフに、香港の連中が出てき始めると途端に重くなるのは何とかならないかとクレームを付けた。すると、彼女は「まあ、レスつけるのに、いちいちホストに繋ぎっぱなしにしてるんですか?」と言う。

レスを書く場合はホストとの接続を切り、スタンドアローンの状態で、HPデスク内のエディターみたいな画面("Work Area" とかいう名称だったような気がする)を使って書けばサクサク動作する。書き上げたらもう一度接続し、"Work Area" から送信ボックスに一気に流し込んで送信すればいいというのである。当時はそんなこともわからなかった。

ところで、私は現在、"co.jp" で終わるメールアドレスを 1個、"ne.jp" "or.jp" のものを各 2個、".com" を 4個持っている。それどころか、役人でもないのに "go.jp" まで持っていた時期もある。昔は役所の運営する特定プロジェクトに参加していれば、部外者にまで go.jp のアドレスを案外簡単に発行してくれたりした。

当時、私は @nifty のアドレスを持っていたから、そんなご大層なアドレスはいらなかったのだが、その頃はプライベートやビジネスで個人のメールアドレスを持つのがまだ一般的でなかったので、ドンブリ勘定的に役所が面倒を見てくれたのである。ダイヤルアップのアクセスポイントまで、そのプロジェクトをメシのタネにするベンダーのシステムに相乗りできていた。

今から思えば隔世の感がある。しかしそんな時代から、まだ 10年そこそこしか経っていないのだ。

tak-shonai の本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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