toto のお粗末
サッカーくじ toto が低迷しているらしい。開始以来 4年間の売り上げは、01年が 604億円、02年が 408億円、昨年は 202億円と減り、今年は 160億円だそうだ。
おかげで、当初の目的とされていたスポーツ振興への助成金拠出がままならないという事態に追い込まれている。
売り上げ低迷の原因については、あちこちで語り尽くされている。要するに、販売窓口がわかりにくい上に、予想にやたら手間がかかる割にはさっぱり当たらない(当選確率 160万分の 1)というわけだ。これでは、マニアしか手を出さない。個人的にも、まったくそそられない。
私はサッカーは野球より好きだが、くじにはとんと興味がないので、toto の売り上げがどうなろうと知ったことではない。しかし、スポーツ振興という謳い文句が空念仏に終わってしまうというのでは、見過ごせない。
何しろ、売上額から払戻金と経費を差し引くと、助成金として支払えるのは 0円となるため、当たっているのに引き換えられずに時効となった 2億円をかき集めて助成金に充てるというのである。
「スポーツ振興」どころか、ほとんど関係者が食うだけのための事業になってしまっている。これではまたしても、無意味な天下り先が増えただけということに他ならないではないか。
一番呆れたのは、toto 開始前のリサーチ結果である。改めて Google で検索してみると、toto 開始にあたって、関係者はその市場規模を、「全国で2832万人が利用し、1600億~2000億円の売り上げを見込んでいる(参照)としていたようなのである。
ところが、蓋を開けてみると、最初の年の売り上げが見込みの下限の 38%に過ぎず、あとはどんどん減る一方で、4年目で 10%である。当初のリサーチがでたらめだったのか、その後のプロモーションがいい加減だったのかは知らないが、民間企業がこんなことをしていたら、すぐに潰れてしまう。
文部科学省もようやく危機感をもったようで、抜本的改革をしようとしているらしいが、ある意味、これぐらいガタガタに破綻してしまわないと、改革という話が出ないというのも、寂しい話である。民間の感覚からすると、少なくとも 2年遅い。
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