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2005年1月 3日

餅はリスキーな食品と認識すべし

餅って危ないなと、しみじみ思う。1日から 2日にかけて、関東各地で餅を喉に詰まらせて窒息死する事故が相次ぎ、老人 4人が死亡、15人が重体になった。(参照
毎年正月になると、同じようなニュースが何件も報じられる。季節限定で言えば、フグの中毒死より多いだろう。

餅は、とくに老人にとってはフグ以上にリスキーな食品であると認識しなければならない。

しかし、実際には老人ほど餅をありがたがって食べるのである。全国の老人に「正月に餅を食うな」と言ったら、総スカンを食うに違いない。それほど伝統文化に根ざした慣習というのは、抜き差しならないものである。正月の餅というのは、信仰そのものと言っていい。

老人の「飲み込む力」というのは、かなり衰えるもののようなのだ。このニュースを聞いて、私は冗談ではなく、「歳を取ったら、餅は小さく切り分けて、ちまちまとゆっくり食べよう」と思ったのである。

しかし、実際に歳を取って適当にボケが入ったらどうなるかわかったものではない。

何しろ、餅を喉につまらせて大変な目にあうのは、圧倒的に男の方が多いようなのだ。都内では 2日午後 10時までに救急車で搬送されたのは、男性 20人、女性 5人の、計 25人、そのうち重体になったのは、男性 13人、女性 2人の計 15人、そして、死亡したのは 4人とも男性である。

「おじいちゃん、もう年なんだから、お雑煮はゆっくり召し上がってくださいよ」なんて言われても、「ふん、正月の餅を食うのに、なんでそこまで言われなきゃいかんのだ!」などと、妙に意固地になって、ついわしわし食ってしまうおじいちゃんが多いのだろう。私なんかも危なそうだ。気を付けなければ。

それにしても、これほどまでにリスキーな食物を、なんとか改良しようという試みはないのだろうか。「粘りはあるが、粘着力のない餅米」なんていうのが困難なら、 「老人向け雑煮用サイコロ大のお餅」とかなら、すぐにでもできそうではないか。煮ても焼いても隣の餅とくっつかないように、表面には身体に無害の特殊加工を施すと、なおいい。

もしどこかの食品メーカーがこれを読んで商品化するようなら、菓子折の一つぐらいもって挨拶に来てもらいたいものだ。

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