識字能力問題とサイトの読みやすさ
Usability というサイトに、「識字能力の低いユーザ」という記事がある。
「識字能力の低いユーザは、高い識字能力を有するユーザとは違う読み方をする。流し読みはせず、一語一句を読み拾おうとするために視野が狭まり、要点を取り損ねてしまう」 というものだ。
「識字能力の低いユーザ」 とは、読み書きができないのではなく、「読むことはできるが、楽々と読めるわけではない」という人々のことだそうだ。このサイトに来てくれる方のほとんどは、これには当てはまらないと思う。
米国教育省の 全米成人識字能力調査 によると、米国の人口の 48%は識字能力が低いということだ。そのため米国のウェブサイトは、こうしたユーザのために、以下のような配慮をしなければならないと提案されている。
- 平易な文章を書くこと。ホームページや重要なカテゴリーのページ、ランディング・ページなどには小学 6年生レベル、その他のページも、中学 2年生レベル程度にする。
- 要点はページの冒頭におき、ほんの 2~3行を読んだだけで諦めてしまうような読者の目
にもとまるようにする。 - 重要な情報は、他と区別できるよう仕切って見せ、スクロールして見失う危険性を最小限にする。
- 動いたり、変化したりするテキストの見せ方は避けること。
米国の多くのウェブサイトがこうした配慮をしてくれると、本当に助かると思う。それは私自身、日本語こそきちんと使いこなせる(ことを望む)が、こと英語になってしまうと、まさに「識字能力の低いユーザ」の範疇に入ってしまいそうだからだ。
さらに、ここで提案されている留意点は、英語のサイトだけではなく、日本でも多くのサイトで意識されるべきことだ。「スキルの高い読者でも、冒頭にあるいくつかのパラグラフに価値を見出せなければページを去ってしまう」と指摘されているとおりである。
重要ポイントを先に書いてしまうというのは、新聞記事でもそうなのだが、商業文の鉄則である。コマーシャルなものでなければ、起承転結式の文章もあるので、必ずしもそれにこだわる必要もないが、それでも、ウェブのコンテンツは長すぎてはいけない。
私が某所で書いているメルマガは、1200字を目安にしている。原稿用紙で 3枚分、ワープロの標準的なフォントで A4 用紙に 1枚分ぐらいのものだ。初めのいくつかのパラグラフで要点をまとめて、あとは詳細説明に移行するか、あるいは全体を短くするかのどちらかを選択すべきだろう。
サイトを運営する者は、アクセスしてくれる読者の識字能力を見くびる必要はないが、それでも、読みやすさには最大限の配慮をしなければならない。自分のコンテンツをも含めた反省点である。
願わくは、日本語を学ぶ外国人が「読みやすい」と言ってくれるようなサイトを作りたいと思う。
| 固定リンク
「パソコン・インターネット」カテゴリの記事
- 団塊の世代より上の男性の「ケータイ」理解(2026.02.15)
- Apple Watch の「低心拍数」という余計なお世話(2026.02.02)
- 「改行」で「送信」されてしまう LINE のストレス(2026.01.16)
- 表示順を表すフォルダ・ネーム、ファイル・ネームの数字(2026.01.11)
- 厄除けのお大師様について、ちょっと調べてみた(2026.01.04)
「比較文化・フォークロア」カテゴリの記事
- 「歩行者は右側」の規則は江戸時代の慣習と矛盾するけど(2026.02.08)
- Forbes に見る「酒」に関する日米イメージ比較(2026.01.25)
- 外国人にそばを食わせることと、「食の好奇心」(2026.01.22)
- 「つり目 = アジア人差別」という感覚を深掘り(2025.12.18)
- 「アニメのように学校をサボる」ことの国際比較(2025.12.03)







コメント