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2005年4月21日

対中外交カードとしての大使館外壁

反日デモに伴う破壊行為で被害を受けた北京の日本大使館の修復を、中国側が自発的に申し出たそうだ。(参照

日本側はこれを受け入れるかどうか検討中だそうだが、迷うことなく突っぱねるべきだ。インクやペンキで汚された外壁は、またとない外交カードではないか。

原爆の悲惨さを後世に伝えるために、広島では原爆ドームを永久に保存しようとしている。原爆ほどではないにしろ、今回の乱暴狼藉の跡を、2008北京オリンピックで世界中から訪れる関係者に、きちんとみせてあげればいいのである。 落とし前は、早くとも 4年後だ。

逆に言えば、体面を重んずる中国としては、謝罪はしないが、修復だけは是非ともしたいのだ。身内の恥をさらす痕跡、とくにインクやペンキを投げつけた跡などは、オリンピックまでにきっちりと消しておきたいところだろう。

というわけで、今回の中国側の申し出は、罪滅ぼしとか好意からのものでは決してなく、証拠隠滅をしたいという自分の都合である。まず最初に、オリンピックの開かれる北京の大使館を修復したいと申し入れていることからも、その意図はみえみえだ。

そんなもの、「ただで消させてなるものか」である。割られたガラス窓の修理ぐらいは仕方がないが、外壁に残されたペンキやインクの跡は、業務に差し障りがあるわけではないのだから、自然に消えるまで何年でも放っておけばいい。中国側が強引に消そうとなんぞしたら、治外法権領域侵犯で、国際問題にすればいいのである。

少なくとも、大使館の汚された外壁は、今後の交渉の「カード」として、日本側の手にあるのだ。もし、今回の申し出を易々と受けて、せっかくのカードを捨てるようなら、日本の外交下手を象徴する出来事が、また一つ増えることになるだろう。自前で消したりなんかしたら、それこそ笑いものだぞ。

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コメント

まさにそのとおりです。北京オリンピック、上海万博等を控え、中国政府は対面を取り繕おうとするでしょうが頑として拒否すべきです。石は投げた人に向かってくることを自覚させるべきです。日本からのODAも即刻中止すべきです。

投稿: hirokky | 2005年4月21日 12:07

今回の教訓は、自分で後始末できないようなオイタは、しちゃいけないということでしょうね。

投稿: tak | 2005年4月21日 21:27

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