高田渡の訃報
16日夜、水戸方面から国道 6号線を南下中、ラジオで高田渡の訃報を聞いた。享年 56歳。
この人の評価を、私はまだきちんとできていない。「ごあいさつ」は大好きなアルバムだし、「生活の柄」は、今でも口ずさむ。しかし、どうもひっかかるところがある。
「ひっかかるところ」というのは、彼の破滅志向である。一時「渡は死んだ」といわれるほど酒浸りが伝えられ、今世紀に入ってから、少しは持ち直して活動を再開していたようだが、言動に「やっかみ」が目立つようになった。
60年代に、一応「反戦フォーク」と言われ、70年代に入ってからはその程度のレベルではなくなって、「枯淡」の味まで漂わせていた男が、どうして 21世紀になって、あんな風に世間に毒づく姿をさらさなければならなかったのか。
本来ならば、40歳を超えてからは世間を超越していなければならない男だった。残念である。
まあ、今日の記事はさっぱりわからんという人も多いかもしれない。それでも、彼の歌を聞く機会があれば、何らかのショックを覚えると思う。
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コメント
突然のコメントで失礼します。勝手にトラックバックを送らせていただいたので,一言お断りしようと思いました。(なお,間違えて別の記事にT/Bを送ってしまいました。そちらは削除していただければ幸いです。)
「70年代になってから」の部分については,若干違った印象を持っているのですが,それは私が渡さんの活動を十分知らないからかも知れません。
「アル中」から回復した後,また新しい渡さんの展開に期待していたのですが,残念です。
投稿: なも | 2005年4月17日 10:35
コメント、ありがとうございます。
時代との微妙なズレ方が魅力のシンガーでしたが、
そのズレ方が、少し違ってきたかなと思っていたところでした。
もう少し生きていれば、そのズレ方もまた面白くなっていたかもしれませんが。
投稿: tak | 2005年4月17日 12:16
日記(ブログではない)を読み返していたら、私が高田渡の訃報を知ったのはtakさんのこの記事だったことが分かりました。今日は久しぶりに彼の曲を聴こうかなぁ。
投稿: 山辺響 | 2012年4月16日 11:03
山辺響 さん:
彼の歌を聴くと、ギターを弾きたくなります。
投稿: tak | 2012年4月16日 21:26