「問題な」日本語
日曜日あたりから、当サイトの "「なおざり」 と 「おざなり」" というページへのアクセスがやたら多くて、一体どうしたのかと思っていたのだが、原因がわかった。
ベストセラー 『問題な日本語』 という本の広告で、「おざなり/なおざり」 というのがフィーチャーされているのである。
上の写真は、昨日山手線の電車の中で見かけたその本の広告である。広告のしょっぱなに、「おざなり/なおざり」が何となく目立った感じで出ているので、インターネットで検索して、私のサイトに行き当たったのだろう。
このページは、普段から毎日 50~60件ぐらいのアクセスはあるのだが、この広告のおかげか、今週の日曜日から、161件、151件、81件、84件、98件と、5日連続でかなりな件数のアクセスなのだ。
この本は、大修館書店の『明鏡国語辞典』の編者が編集したものらしい。この辞書は、私も贔屓にしている辞書である。
さっそく、帰りに書店によって買ってみた。気軽に読めそうである。面白いのは、言葉の誤用を戒めるという趣旨ではなく、その誤用がどんなふうにして生まれたかまで解説しているところだ。
この本を買うまでは、「問題な」という用法自体が、私にはかなり「問題」なのではないかと思われた。「問題だ」という表現は、「形容動詞」 としてはまだ定着していない。「問題」という名詞に「だ」がついた表現だ。それならば、連体形みたいな形で「問題な」というのは、それこそ「問題」だろう。
「迷惑な」という用法はあっても「困惑な」という用法はないのと同じである。「問題の」という言い方ならあるのだが。
このことについては、この本の 「まえがき」 でちゃんと触れてあった。
表題とした「問題な」も味な使い方だと思うが、問題のある表現である。本書が、「問題の日本語」について疑問を持ち考えるときの一助になれば幸いである。
ということなのだそうだ。
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コメント
表題のデザインで、「な」だけ赤で傾いているのは、「『な』でいいのかよ?」という意味なのでしょうね(笑)
投稿: 山辺響 | 2005年4月 8日 09:33
>表題のデザインで、「な」だけ赤で傾いているのは、「『な』でいいのかよ?」という意味なのでしょうね(笑)
ちょっとしたワサビ効果なんでしょうね。
投稿: tak | 2005年4月 8日 14:11
あ、4/3にやっていた「タモリのジャポニカロゴス」という番組でも「なおざり」と「おざなり」は軽くでてきてましたよ。
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/japonica/
わたしはすぐにtakさんのサイトを思い出しました。
たしか番組内で答えは教えてなかったので、日曜以降増えた訪問者のいくつかはこの番組経由かもしれませんよ。
それにしてもこういう日本語ネタって近頃流行っているなぁ……。
投稿: まこりん | 2005年4月 8日 21:44
>あ、4/3にやっていた「タモリのジャポニカロゴス」という番組でも「なおざり」と「おざなり」は軽くでてきてましたよ。
あぁ、そうだったんですか。
どうりで、4月3日の19時台に、いきなり 107件のアクセスがあったりしたわけだ。
テレビってすごいんですねぇ。
投稿: tak | 2005年4月10日 22:30