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2005年4月27日

鉄道事故とヒューマン・エラー

どこに行っても JR 宝塚線の事故の話題でもちきりだ。とくに関西方面の人には、大きなショックだったろう。

あの地下鉄サリン事件は、その前年まで毎朝乗っていた路線で起きたため、ニュースを聞いた妻はパニクりかけたようだ。後から考えると、私は転職したおかげで命拾いをしていたのだった。

さらに、昨日夕刻に帰宅しようと上野駅から常磐線に乗ったところ、特急とトレーラーの衝突事故で中距離電車が不通になっていた。トレーラーの運転手が酒気帯び運転だったらしい。やりきれない。

今回の尼崎の事故は、こうしてコラムを書いている間にも死者の数が増え続けている。最終的には 100名を超えそうだ。書いている者としても心が痛む。

原因はまだ究明されていないが、いずれにしても運転士のオーバーランというヒューマン・ミスが遠因となったのは確かだろう。地下鉄サリン事件とは、まったく違う範疇の事件である。当初、8メートルのオーバーランと報道されていたが、実際は 40メートル行き過ぎていたという。

私も電車のオーバーランは何度も経験したが、せいぜい車両の長さ以下(20メートルぐらい?)のことである。40メートルのオーバーランというのは、見たことがない。

しかも、この運転士は以前に 100メートルのオーバーランもしていたという。電車というのはブレーキをかけてすぐに止まるものではないだろうが、それでも 100メートルも行き過ぎるというのは、尋常ではない。直前までホームが見えていなかったのだろう。

よっぽどの「ぼんやりさん」である。少なくとも、命を預けてもいいというタイプではないようだ。

ゴキブリは 1匹見つけたら 100匹いると思えという。決して運転士をゴキブリに例えるわけではないが、ぼんやり運転士は他にはいないのだろうか。

以前、運転中に何分間だか熟睡してしまったという新幹線の運転士がいた。新幹線だけに、ヒューマン・ミス対策は行き届いていたようで、事故にはつながらなかったが、快速電車レベルでは、ぼんやりが過ぎるとこんなことになる。

私も車の運転中にどうにも眠くなることがある。以前、夜中に東名高速を走っていて、ふと気付いたら車線をまたいでいたことがあった。鳥肌が立つほどぞっとした。もう数秒意識が飛んでいたら、中央分離帯に激突するところだった。

あの経験以後、運転中に眠くなったら無理せずに、必ず止まって寝ることにしている。しかし、電車の運転手は眠くなったからといって電車を降りて寝るわけにいかない。

それだけに、プロとしての体調管理が求められるはずなのだが、それでも眠くなってしまったら、きっと瞬間的にしろ、意識が飛ぶこともあるだろう。それでも大丈夫なように、システムを整備してもらいたい。

先日の主導踏切の事故といい、ヒューマン・エラーは 100%防止できるものではないのだ。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」 へもどうぞ

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コメント

ヒューマンエラーで事故が起き、機械を設置すればそれに依存しすぎて事故が起きる。補い合うのが「システム」なんだろうけど……。

投稿: 山辺響 | 2005年4月27日 16:37

確かに、ハードウェアを導入するだけでは不十分で、トータルな「システム」が必要でしょうね。

また、システムは失敗を教訓にして進歩しますから、今回の事故を無駄にしてはならないということでしょう。

投稿: tak | 2005年4月27日 18:07

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